【随想】通信環境の見直しを迫るリモートの定着#2−接続が不安定となる理由(2/5)

 緊急事態宣言はさらに2週間の延長となり、新年度をひかえた大学は、次年度の授業形態などをめぐりギリギリの判断が求められている。宣言延長前においてもすでに授業を原則リモートで行うことを宣言する大学もかなり出ていた。もちろんこうした大学にあっても対面の価値を否定するものではなく、授業の最終回などは大きめの教室を確保し、まとめや質問などの機会を対面で行うなどの工夫も見られる。
 わたしの本務校は、授業は原則対面で行うとの方針を早々に定め、シラバスもそのことを前提に執筆することとなっていた。本務が法科大学院であることも関係しているのかもしれない。しかし、原則対面の姿勢を貫くところはどちらかというと限定的であるようだ。わたしが通ういくつか非常勤先からの通知によればリモートが大勢で、新年度からの授業も前年度と同様、ウェブ会議サービスを利用することが前提となるらしい。
 こうなると、自宅の非力な通信環境をいよいよ見直さなくてはいけないのではないかということになってくる。どうもリモートワークの定着で、近隣の住宅でもブロードバンドの利用が増加しているらしく、曜日や時間によってはインターネットの接続が不安定となることが多い。
 ウェブ会議において音声の途切れや映像の乱れなど、一時的ならば多少はガマンできるが、頻繁だと生産性も下がり、ストレスも高まる。しばしば利用するウェブ会議サービス・ZOOMは、その推奨する帯域幅として、1対1のビデオ通話の場合は720pのビデオで1.2Mbps(メガバイト/秒)、1080pのビデオの送信には1.8Mbpsが必要だという。グループビデオ通話ではさらに厳しくなり、720pのビデオ会議で1.5Mbps、1080pで3.0Mbpsの通信速度が求められている。
 通常であればそれほどシビアな条件ではないが、混み合う時間帯だと不安定になる。しかも、Wifiを利用した無線による接続だとさらに心配事が増えることになる(2021年3月5日記)。

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