やっぱりやめよう。

そう、言って私たちは家に帰った。

帰り道には、普段は買って貰えないようなお菓子を買って貰った。

家に帰ると祖母が泣きながら母を叱り始めた。

手元には家から出る前に書いた遺書があった。

きっかけはなんだったか。

私が

おかあさんとならしんでもいいよ

と言ったのが事の始まりだったのか、

母からの虐待に疲れ何も感じなくなったのが事の始まりだったのか。

今となってはどちらともと言えるだろう。

母が祖母に叱られているのを、何も感じない見えないフリをして、

祖母が余って持ってきた煮たきびなごを食べていた。

こういう時は何も言ってはいけない。

無関心が1番だと6歳ながらわかっていたのは偉いと我ながら思う。

近いうちに母親が礼服を取りに来るらしい。

私は会いたくないので、礼服は玄関の外に吊るしておくことにしよう。

それにしても、誰かが死んだのだろうか。

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