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勢いは大事だが、

建築を造るときに、いくぞぉー!うぇーい!!的にノリで行動することも大事なのだけど、着実に構想と企画を練ることが大事。


建築の中では小さい方とされる住宅も勢いだけではできない。法規制やインフラ状況と合わせた土地探しをして、自分の年収や勤続年数などと合わせた融資計画をして、将来の家族像を想像するビジョンが必要。施主さんには施主さんの仕事がある。楽じゃないから、そこは一緒に頑張る姿勢で挑む。
何千万円、何億円とかかる建築が勢いで出来るわけもなく。それぞれに専門家や技術者が必要。


大きな建築になるほどチーム構成も大事になっていく。ディレクションやプロデュース的なポジションもいればコンサルタントと戦略も練らないといけない。もちろんチーム内での信頼は必要だし、そのための報酬も明確にしていく必要がある。


時折「相談させてください」という呼びかけに応じて、自分の車で遠方まで訪ねて言って、様々なアドバイスをして、結果、連絡が途絶え、、どうなったんだろうな?と思うこともある。タイムイズマネーだぜ!と思うことも少なくない。


先日、相談に乗ったある行政からすぐさま交通費が振り込まれていた。ありがたいことだ。些細なことかもしれないがそういう積み重ねは信頼関係に影響する。金額の問題じゃない。


もっともひどい経験は業者としてしか扱われない時だ。
アイデア出してください、決定権はこちらにあります。良いと思えばお金払います、他の業者でもええんやで、オタクはなんぼでできますの?、気に入らないから払いません、だって建物まだできてないですよね、などなど、知的産業に対する理解はまだまだ低いと感じる。行政でもまだまだその感覚が多いように思う。入札で設計業者を決めるような感覚は続いている気がする。


そもそも、設計者を育てる、アイデアが出せる人が生れるのにも過程や背景があって、それはそれは時間がかかるものだ。
素敵なデザインができる才能ってのは、その人の努力の先にあり、そこに投資をした人もいるわけだ。時折「どこかに若くていい設計者はいませんか?」とか聞かれることもあるけれど、デザインができてー安くてー都合のいい設計者という意味ならいませんよと思う。
デザイン力がイマイチだなと思う企業があるならば、デザイナーの報酬を上げてあげなければいけない。そして、その為の経験の場所を用意しなければいけないし、大切に育てないといけない。人の努力の上で良いとこどりってのは無理がある。


(どうせこんだけ長く書いてたら、最後まで読まれないだろうから好き勝手書いてる(笑))


ここに書いてることは思い付きで散見しているけれどまとめると
・建築には構想と企画と体制つくりが必要
・アイデアはタダじゃない
・知的産業は製造業の業者さんとは少し違う
・考える労力には対価が必要
・報酬は対価であって上下関係ではない
・設計者を育てるのは時間と投資が必要
・人が育てた設計者を安く使おうとすると業界がダメになる
・長文は最後まで読まれない
以上です。

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