韓国ドラマ「怪物」|感想

怪物 괴물

2021年の百想芸術大賞(韓国のゴールデングローブ賞と言われる)で高く評価されたサスペンス。
大好きな韓国ドラマ「十八の瞬間」のシム・ナヨン監督(兼演出)の作品ということもあって、とても期待していました。

ざっくりの感想としては、、登場人物全員が怪しく見える"怪物"じみた迫真の演技は噂通りすごかったです。演出も作り込まれていました。
ただ、私としては正直期待しすぎたかな?という感じです。あと単純に、内容が暗くてしつこめなので、私の好みではありませんでした。。(元も子もない)


うっすらネタバレ含む感想

ep1〜5までは何が何だか分からなかったです。あえて視聴者を混乱させる演出にしているんだと思います。
主人公ドンシクを応援したいけれど、そのドンシク自体が気味悪いし、ジュウォンはドンシクを疑いすぎだし。。
全体的に描き方がしつこくって、まどろっこしくて、やりすぎじゃないか?と思って見てました。

でもep6で犯人が判明し、そこからep8まではものすごく盛り上がります。まさかまさかの真相。めちゃくちゃ気持ちが悪かった。あとep7ラストでドンシクの影が現れるシーンは最高に痺れました。全16epなので折り返し地点ですが、正直ここがクライマックスだった気がします。

でも実はまだ黒幕が待ち構えていて、後半に突入していきます。
後半はジュウォンの父、ジョンジェの母、そしてイ・チャンジンが中心人物。カネと権力まみれの泥仕合が繰り広げられ、私はそういうのが苦手なので、ここでギブアップしたくなりました。笑

でもここまで見たからには、と何とか完走、、しましたが。
想像通りの結末でガックリ。
あくどい権力者=真犯人というのは、だいぶ手垢のついた図式だと思います。前半の展開が意外性があって面白かっただけに残念でした。


良かった点

辛口になってしまったので、良かったなと思う点を挙げると、

  • 悪者が正当に罰せられた

  • ジュウォンの成長

  • やっぱり上手いシム・ナヨン監督

です。

ドンシクはずっと、失踪して20年見つからなかった妹と、娘のような存在だったミンジョンのため、犯人を「法律で」裁くことに執着します。その信念を貫き通したところは良かったです。

また、自分の正義感に振り回されていたジュウォンが、最後には憑き物が取れたような顔をしていたのが印象的でした。ご飯も一緒に食べるようになったし、成長したね。

そしてシム・ナヨン監督!この人の演出にほんとに困惑しました(いい意味で)。笑
「十八の瞬間」では瑞々しい若葉のような演出をされていて、私はそれに惚れ込んだのですが(ほんとにオススメ)、「怪物」でこんなカラーが180度違うエグい演出してくるとは!
色んなジャンルに対応できるカメレオン俳優ならぬカメレオン監督だと思いました。
今後も必ず追っていきたい。



そんなこんなで、骨太のサスペンスが好きな方には刺さるドラマだったと思います。

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