海外ドラマ「ファーゴ」S1|感想

FARGO

刺激強めのクライム・サスペンス。
あの「シャーロック」でワトソンを演じるマーティン・フリーマンが、とある事件で人生を狂わされていく主人公を演じています。


ざっくりあらすじ

しんしんと雪が降り積もるアメリカの田舎町。うだつが上がらない40代の会社員レスターは、昔から自分をいじめていた同級生に暴力を振るわれ、鼻を折られる。治療のため病院に赴くが、待合室で隣に座ったのは、なんと殺し屋だった。
妙な雰囲気をまとう殺し屋は、代わりに復讐してやろうか?と、いじめっ子の殺害を持ちかける。後日それは現実のものとなり、さらにレスター自身もとある重大な罪を犯してしまう。それは噓に嘘を重ねる人生の始まりだった……
というお話。

ありとあらゆる血しぶきが出てくるので、苦手な人は注意が必要かもしれません。ただ、悪趣味なグロさではなかったです。演出やデザインがとてもスタイリッシュで洒落たドラマなので(レスターのオレンジ色のダウンジャケットが雪景色にすんごい映える)、血の描写にもしつこさはなく、私は耐えられました。
それより精神的に追い詰められる系の怖さだったと思います。話の中盤は間延びした感がありましたが、終盤の展開には度肝を抜かれました。ひたすらハラハラさせられ、それだけに見終わった直後の満足感も高かったです。


ネタバレ含む感想

7月に見たドラマなので細かいことはだいぶ忘れてますが、、
レスター最悪!
感想はそれに尽きます笑笑

奥さんも相当嫌味たらしい人だったので若干レスターが可哀想になりつつも、いやレスター化け物だな、、とドン引きする展開でした。。
手の甲に散弾銃の飛礫(?)が食い込んで膿んでも耐え、甥っ子のリュックに銃を仕込み、弟を犯人に仕立て上げ、平気な顔して弟の奥さんを慰め、、自己保身のためなら何でもするサイコパス。間違いなく狂気の沙汰です。
容疑から逃げおおせたという成功体験からなのか、自分を見下す人たちを排除できたという安心感からなのか、自信家になっていくレスター。この変貌が心底キモかった、、キモい以外の言葉が見つかりません。笑
そして変な気を起こし、偶然再会した殺し屋マルヴォに絡みに行ってしまいます。ここからの追いかけっこがこのドラマの見せ場。レスターの自業自得とはいえ、すごい怖かったです。。(モリー&ガス夫妻という聖域は守られたから安心した)
さて、改めて殺人容疑をかけられ追われるも、最後まで自己保身を貫くレスター!ここまでくるともはやコント。逃げて逃げて逃げて、湖にぼちゃん、、何が何でも守ろうとしていた自分自身を死に追い込んだのは自分だった、という皮肉の効いた最期はまさにブラック・コメディでした。

中盤のスーパーマーケットの下りなどは正直必要ないと思いますが、あれはマルヴォの恐ろしさを伝えるエピソードだったんですかね...?内容的に密度が濃いわけではなかったので、もうちょっと短くしたらもっと面白いのでは?と思います。
どうやらシーズン4まであるらしく、シーズンごとに登場人物は違うみたいです。私は続きを見たいとまでは思わなかったのでシーズン1で終わりにしますが、それなりに楽しめました。

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