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「主人公」の放棄

18歳。
- 卒業式の前夜に書き殴った
行き場の無い感情。
無知で未熟で拙い私の葛藤と覚悟
辿り着いた解は
「雑草のよう生きていく」


いつだって安全圏に生ぬるく浸って
主人公を放棄して
ただただ傍観して生きてきた。

全て他人事。他人任せ。
人生は常時低空飛行。
やりたいことなんかない。

惰性で生きていた。
いや、生かされていただけ。
でも何者かになりたかった。
自分の価値を
誰かに認められたかった。

だから満たされない承認欲求を
満たし世の中に私の存在を価値を
知らしめるために
全てぶち壊して台無しにして
卒業式の日までに
命も責任も全て放棄して
逃げ出してしまおうと思った。

自分の行動に責任をとりたくない。
誰かに守られていたい。
そんな幼稚な考えでまかり通るはずないのに。

そんな腐った思考を正当化するために
アスファルトの上で叫びながら
ギターを掻き鳴らし訴えた。
誰かに気づいて欲しかった。
止めてもらいたかった。
生きることをただ許されたかった。

そんな期待を欺く濁って澱んだ大人たちの眼は
汚れ切った私よりも醜くかった。

見て見ぬ振りをして
何も無かったかのように振るまう。
私の存在を否定された。


自分が透明人間になったと錯覚する。
自分の声は誰にも届かない。
手遅れだと思った、この世界は。
こんな世界こっちから願い下げだよ。

渇望した理想の自分には近づくどころか
遠のいていくばかりで
何も持っていない自分を恨み絶望した。
自分はダメなやつだ。
生きてちゃいけないんだって
自らカテゴリーに当てはめ縛り付けた。

何者にもなれやしなかった。
なろうともしていなかったのかもしれない。
こんな世の中なんてもういいよ。

型にはまっていたかった。心地いいから。
でも縛られたくはなかった。息苦しいから。

自惚れて貶されて自虐して
誠実に前を向いて生きていくなんて
ふさわしく無い。


それでも私は雑草のように踏みつけられても
強く根を張って汚い場所で生きていくんだ。
散りたくなんか無い。桜みたいに。
一瞬の栄光や名前や外見に騙され
称賛する奴らなんて大嫌いだ。

END




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