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【創作大賞2024読書感想】昏い抱擁
漠然と読書するのと、作品を書くモードで読書するのでは全然違うな。
そんなことを感じた創作大賞。
ご縁があって拝読した作品の、読書メモをシェアします。
(あくまで個人的な感想です)
昏い抱擁 /高遠秋彦 https://note.com/akihiko_takato/
今回は、高遠秋彦さんの『昏い抱擁』です。
(作品のポイント)
・物語が進むにつれて主人公が切り替わっていく
→主人公たちの追っているもの、向き合っているものが共通しているから、主人公が代わって視点が切り替わっても物語に振り落とされずに最後まで読めた
・物語の冒頭から終わりまでにかなりの年月が経っていることを忘れる
→夢中になって物語の先を追いかけていたからこそ、物語の時間の経過に驚かされた
・物語で取り扱っている怖さの根源がしっかり描かれている
→心霊現象や不可解なことの根底にあるものが描かれていて、物語に深みや厚みを感じた
(個人的感想)
「ホラーといえば、こういう感じの作品よね」と、思う内容と展開。不気味さや怖さ、心霊的な要素など、ホラー作品に期待する要素がぎゅっと詰まった作品。
文章表現でも、「そうか、こういう表現の仕方があったか」と、思う点がいっぱい。
「どうしてこのタイトルなのか」という点がずっと気になって、私の中で『謎』になっていたけれど、物語の最後を読んで謎が解けた。
『旧地区と新地区』というワードで、湊かなえさんの『豆の上で眠る』という作品を思い出すが、そちらはミステリー作品。
高遠さんの作品にもミステリー的な要素はあるけれど、やはり高遠さんの作品はホラー小説なのだと思う。
舞台となる町の名前を見た時に、その町の歴史や秘密がなんとなく想像できて、物語が進んで、想像と大体同じ内容が物語上に出てきた時には「よし!」と、テストの答え合わせでマルをもらったような気分になった。
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