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動詞/Verb

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2018年6月の記事一覧

『聞こえる』#179

何かしらの音が、耳に入り込んでくるかたちで、『聞こえる』、自動詞。目的語をとって、何かしらの音を、「聞く」、とは区別して書く、今回のノート。 昔っから、街中を歩いていたり家の中にいたりまぁどこにいたとしても、自分の注意が何かしらに100%集中してはいない散漫なとき、聞こえる音を、何かに結びつけるか、心当たりのある音にピンとくるとか、とにかく聞こえる音に「おや?」と意識を引かれることが多々ある。集中力については、100%まで入ったときはガッツリ遮音耳になるんだけれどまず基本的に

『溜まる』#175

「ためる」という言葉には漢字によって少しずつ意味が変わって来るけれど今回は「溜める」。 漫画のあひるの空で、トビに対して唐沢さんが言った言葉が強く残る。「同年代に自分より上手い奴がいるのがそんなに許せないか?」と唐沢さんがトビに言う。ムッとした顔で「別にそんなん気にせんワ」と答えるトビに言ったのは、「怒りを開放せずに溜めろ」「怒りを溜めるうちに身体のなかであ物質に変わる。麻薬さ」と、要約したけどこういうもの。このメッセージは怒りに限ったものでなく悲しみや悔しさ、負の感情とされ

『坐る』#164

椅子座に対する床坐として、あえて使うときに用いる「坐る」の字。常用漢字で義務教育課程で習う、一般的な漢字の「座る」に対して、意識的に人類学か建築学かあるいはそれかとにかく、人の生活を研究する分野に通ずる何かに触れることが無ければ見ることもないし使うこともないであろう漢字の「坐る」は個人的に好きな言葉の一つであると白状し表明しておこうと、大して誰も読みもしないこの場を使って残しておく。 そもそもの漢字の成り立ちが、見ればわかるように、人が二人、土の上に位置していて、土の縦棒は旗

『焼く』#155

熱を加えることだけにおいては「焼く」ことと「温める」こととに差異はない。 ただ、意味を調べる前の今の段階では、焼くとは「焼き目と炭化」のある加熱、そんなイメージ。加える熱量、あるいは加熱速度、もしくは加熱側と被加熱側との温度差の大きさ、そのへんかなと思っている。そして、「水を焼く」ことはないというのが最大のヒントなのではないかと思う。「焼く」表現と「温める」表現と、使えるものと使えないものとがある以上、なんらかの違いがある。そして、加熱をし過ぎて過熱した場合に「燃える」のは、