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名詞/Noun

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2018年1月の記事一覧

『2時』#42

書いているいまは夜中2時、丑三つ時に入ったところ。人も動物も草木も眠る時間とされるころ。無事にこの文章を書き終えることができるだろうか。果たして。 ここ数年の就寝時間はだいたい2時で、その前後1時間の範囲に分布する。やっぱりわたしも丑の刻いっぱいが眠る時間。大学入ってから夜更かし癖がつくようになって本を読んだりしているうちだんだんと遅くなった。中高は遅くまで起きてることなく、部活で疲れてもいるしテレビドラマにはあまり関心がないし(週のラインナップのうち一つは何か見ていた気もす

『サンドイッチ』#41

雑司が谷へ行った日のお昼ゴハンはサンドイッチを食べた。お昼ご飯、サンドイッチ。“ご飯”が粘り強い。 就職の折に東京へ越してきた友人宅を早々に訪問して住吉の久寿餅を持ち込みきな粉をまぶした。加湿器の水蒸気が、閉まらない給気口によって外気と平衡にさせられてしまうお部屋。これから荷解きがされて家具が揃ってくると確実にシティ感が出てオシャレになるタイプの住人。 サンドイッチは3人それぞれ違うのを頼んだ。期間限定のきのこと玉ねぎの白味噌ソース、香菜とキャロットラペと鶏肉にレバーペースト

『日比谷』#36

日比谷とは日比谷公園であり、有楽町駅の銀座側じゃない方であり、 箱根駅伝最終区のラストスパートでシード争いが繰り広げられる日比谷通りであり、地下鉄に名を冠することが先に記憶に残った日比谷である。 私にとって。 それが今日、有楽町と新橋の間にあり、霞ヶ関および“霞ヶ関”が近いというか隣り合っていることがわかりそして日比谷図書館という日比谷公園内にあり三角形平面で選書棚がよく居心地のたいへんよい場所を知った(いや乾久美子さん設計の「日比谷花壇」もあるし、先ので以上というわけではな

『転倒』#37

月曜一日ごんごんと降り続いた雪は止んで翌日、路面に多くの雪を残した。思いの外、家の前の道路は厚く覆われていて雪をどかすような雪かきを必要とした。ただ、朝イチの冷え込みはそれほどでもなく、朝日が終日の晴天を約束してくれたような明るさだった。 朝食と支度を終えての駅への道のりは轍をずんすんと進み、雪溜まりを時折またぎこす。怖いのがこのとき。またぎ越した先の着地地点、凍ってはいないだろうか、見えている雪も路面で溶けて弱層になっていないか、水が張ってはいないかなど、滑る要因は多い。実

『ペース』#38

夜、帰宅後22時ぐらいから走りに出る。これはもう何ヶ月か続いている、3日以内に1度のペースでやっている。何かで読んだ「3日以上空けると弱くなる」という言葉に触発されている(ランニング特集のnumberだったかな、小出監督か、瀬古さんか。。)。 たいがい帰るころ腹ペコなので、帰宅後即バナナ補給して、15分くらい時間をおいて出る。走る距離はは最近では10キロほど、だいたい47分。前後のストレッチを含めて1時間半ほどの運動は、その後の入浴と食事はあっさりと日付をまたぐ。ただ、そうい

『雪』#35

本日2018年1月22日においてはこれしかないだろう。雪。 いやしかしこのnoteを日記的に題材拾ってしまうと、どんどん個人的で一人遊び的に閉じこもっていってしまうのではないか、と思ったいま、すでにここ最近数回分がそんな閉鎖的・身辺都合な文章になっていることを自身のライブラリをスーッとスクロールしてみて自覚した。季節感のある題材や時事ネタを取り上げること自体はさして悪いことではなかろう。読む人のシナプスにとっても負荷を小さくできて、よいはず。 雪。また、風。降り始めから大雪、

『古書店』#33

御多分に洩れず古本が好き。オルソ、古書。ノット、吉本。古本と古書に関してはどちらも好きだし、好みに違いはない。ただ、特に絶版本や文化価値の高いものへの欲はないので、専ら手の伸びる先は古本のほうが多い。 そして、モノそれ自体に増して、モノモノを並べ収めている古本屋というモノが好きだ。昨今使われる過剰言葉で言えば、含意しかない、というくらい店主趣味が詰め込まれた内部空間(あるいは外部も)が魅力的なのだ。 中目黒の古書店、カウブックスに行ってきた。2002年に松浦弥太郎さんと小林節

『バナナ』#32

美しい三日月を眺められた今日、空気はまだ前日までの暖かさを残していた。明日が大寒だってことが信じられない。襟巻きも要らない。 ちなみにわたしは今夜、友人との飲み会を新宿で終えて終電、品川での乗り換えで残念ながら最寄駅への電車が満杯だったため乗るのを諦めた。次の電車が最寄駅の一つ手前を終電としている。蒲田行き。これまでも何回か、いや、十何回かは蒲田から夜中に歩いている。お気付きの方もいるかと思うが、すでに日付は回って、電車は予定時刻より20分ほど遅れて蒲田についた。気まぐれで帰

『一ヶ月』#31

どうやら書くことを考えるときには内発的なもののほかに「前日のテーマ」と「通し番号」に意識を引っ張られるきらいがある。嫌なことのように書いたが内容に事欠くようで恥ずかしい気持ちもあるし実際書くとこに事欠いている事実もあるしでまったく恥ずかしい。混乱に乗じて同じ漢字が文中に頻発している。 このnoteの通し番号が31になったということは、約一ヶ月ぶん書いてきたことになる。年末年始の12月31日から1月2日までの三日間は空いているので、書き始めた日からは一ヶ月と少々。「一ヶ月」の単

『アフォーダンス』#30

個包装のおかしの、開け口として欠かれた部分から切り開け、角のもろい中身を傷つけてしまった悲しい経験は多くの人にあるだろう。わたしはそう思っている。一辺すべてがギザギザの袋なら、できるだけ端の方で、なおかつ切る途中で寸断してしまわない余裕を持って開封に取りかかれる。しかし、フラットな辺に一箇所だけ施されたあの欠き込みではそうはいかない。決められた位置から最適なコースをシミュレーションして、人差し指と親指で手繰っていくほかない。 解決策は、溶着部分(魚の背びれのようなやつ)からぱ

『スプーン』#29

あたりまえで あたりまえで 大切さに気づいてなかった。 これは、藍坊主の『スプーン』という曲のサビの一部。家、家族、特に母親(母性、かなあ)への感謝・ありがたさを歌った曲で、歌詞とリズムが好きな曲、抽象的すぎず直接的すぎない表現が好きな曲。中高生時代の青い記憶を呼ぶ曲。横浜駅から鶴屋町・沢渡の道が思い出される曲。藍坊主で一番好きな曲、ではなく「いいなあ」と思う曲ベストテンに入る曲、といったところ。 所変わって台所、わたしが最もよく使う道具かもしれない、スプーン。シリコ

『湿布』#28

じいさんのものだと思ってた。そう思っていた。よぼよぼのじいちゃんが風呂上がりに背中に4枚くらい貼って、ももひきを穿き直して、肌着を着る。そんな背中の様子が瞼の裏にくっきりと。そんな印象を強く持っている湿布なるもの、私の左胸、第何番かわからない肋骨を覆うように貼ってある。 年末年始で転倒しまくったスノボで、左から側宙するように飛んでゴロゴロ転がったとき、肩や肘や脇腹から肋骨のあたりを痛めた。2週間経って力が抜けるような肩は回復し、肘のアザは間もなく抜けて、脇腹は全快。ここまでき

『咀嚼』#19

書けない。漢字が。そしゃく、な。男爵みたいな。 ふとした疑問があった。難解な言説やプレゼンを聞いて、「うまく咀嚼できてなくて」とか言うことしばしば。また一方では予想外の展開に、「事態がうまく飲み込めていなくて」とか言うことしばしば。どう違うのか。 食べ物は、咀嚼して柔らかくして唾液で包んで、飲み込む。 まず、その2つのレトリック、先に知っ(てい)たのは後者、飲み込む方。テレビで知ったのか、漫画か小説で知ったのか、初めを覚えていないけれど中高生の頃から知っていたんじゃないかな(

『ママチャリ』#20

何を隠そう、本日は富士スピードウェイで行われる、7時間耐久ママチャリGPに出ます。めっちゃ漕ぎます。おそらく続きは大会後に書くことになるので、2部構成になります。腕が綺麗に繋がるよう、頑張ります(『思索』#17参照)。 大会自体は、全長4.5キロのサーキットコース(アップダウンがエグい。ヘアピン連続カーブと心臓破りの長い坂を混ぜてあるあたり)を、数人のチームで一台のママチャリを乗り継いで7時間走り続けるというもの。ひとりの周回数は決まっていないので、体力に合わせて交代(わたし