見出し画像

やっぱり好きだと気付く

久しぶりに着物の虫干しをした。

虫干しというのは要は着物を干すこと。
着物の天敵は湿気なので、その湿気を飛ばして乾燥させるのが目的。比較的に湿気が少ない梅雨入りの前と秋口に行うのがいいとされている。最低でも年に1回は干しておかないとカビのリスクが上がる。

着物は着るのがいちばんの虫干しになるという言葉があるくらい、しまいっぱなしが1番よくない。なので年に1回は着て出かけたいところなのだが、最近めっきり着物を着ていない。
今年の前半は狂ったように着ていたけれども、最近はぱったりと着たい欲というものが薄れてしまった。

直近では1ヶ月前ほど前に着たけれども、あの時もちょっと無茶というか、今着ないともう着ないかも‥と少し焦った気持ちと共に着た。
やっぱり私はどこか着物に対して着ないと勿体無い!とか、あの人が着てるからとか自分の意思ではない理由で着ていることも多い気がする。

別に着ることが好きの指標ではないけれども、やっぱりSNSを見ていると着ないとダメかも…とザワザワしてしまう。
他人と比べてしまう私の癖。
こんな風に考えてしまうから余計に着物に手が伸びないんだと思う。

そろそろ着物のアカウントも消してしまおうか‥と考えたりもする。
色々な人がいるのは楽しい反面、モヤモヤも結構ある。多分趣味の世界はどこもよくある事なんだろうけれども、なんだか少し悲しくなる自分もいる。
noteでたまに着物日記と題して書くくらいが案外丁度いいのかもしれない。
せっかく着物好きの人たちと繋がりたいなと思っていたけれども、なんだかな。

あと、着物を着なくなった理由に蕁麻疹が出ることもある。
着て脱いだ後ほぼ100%お腹周りが痒くなって、蕁麻疹が暫く出続けてしまう。
締め付けが当たり前の着物と私の体質の相性は最悪。これが嫌で着なくなってしまった。
最近薬を飲み始めて殆ど出なくなったものの、まだ不安もありなかなか手が伸びない。
別に着物でなくてもいいやと思って終わってしまう。


前に記事にした通り、私の中で熱が冷めてしまってるなあと改めて思ってしまった。


前は一度着たらもうずっと着たくてたまらなくなったし、着ている最中もずっと楽しかったのに。
とりあえず、カビ防止のために着物を引っ張り出し、あまり着ていない物から干していく。着物ってこういうメンテナンスが面倒くさい。
もう洗える着物に全部変えたいくらい。

干すついでになんとなく羽織ってみた。
長襦袢に着物…洋服の上からのだけど羽織るとなんだか気分がいい。
ウールや浴衣ではなく正絹しょうけん。所謂シルクの手触りと擦れる音はなんだか特別で。
重さと手触り、そして音…どれも私の心を刺激した。
やっぱり私は着物が好きだ。
好きという気持ちは前と変わっていないのだ。
着たいかどうかはまた別で。

多分次に着るのは初詣くらいになりそうだけど、それでいい。
自分が着たい時に、のんびり楽しもうと思う。
着物は逃げないんだから。



この記事が参加している募集

サポート費用は美味しいスイーツに充てたいと思います。