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「アイリッシュウイスキー」アイルランドで造られる歴史あるウイスキー

アイリッシュウイスキーは、アイルランド島で造られているウイスキーです。スコットランドのスコッチウイスキーと起源を争うほどの長い歴史を誇り、古くから愛飲されてきました。今回はアイリッシュウイスキーの定義や種類、飲み方、おすすめ銘柄まで紹介します。

目次

・アイリッシュウイスキーとは?

・アイリッシュウイスキーの種類

・アイリッシュウイスキーの飲み方

・アイリッシュウイスキーのおすすめ銘柄


アイリッシュウイスキーとは?

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世界五大ウイスキーのひとつに数えられる、アイリッシュウイスキーの定義と特徴を見ていきましょう。

アイリッシュウイスキーとは

アイリッシュウイスキーとは、アイルランド島で生産されているウイスキーで、その歴史は12世紀まで遡るといわれ、「ウイスキーの代名詞」とも呼ばれるスコッチウイスキーと、「どちらが先にウイスキーを造ったか」で起源を争うほどの深い歴史を持ちます。

アイリッシュウイスキーは定義に基づいて造られています。法律で定められているおもな条件は以下のとおりです。

◇穀物類を原料とすること
◇麦芽に含まれる酵素により糖化し、酵母の働きによって発酵させていること
◇蒸溜時のアルコール度数は94.8%以下であること
◇木製樽に詰めること
◇アイルランド島(アイルランド共和国、または英国領北アイルランド)の倉庫で3年以上熟成させること

これらの条件を守って造られたものだけが、「アイリッシュウイスキー」と名乗ることができます。なお、ボトリングを行う場所は定められていません。

アイリッシュウイスキーの特徴

アイリッシュウイスキーは伝統的に、発芽させたノンピートの大麦麦芽(モルト)と、未発芽の大麦などを原料に、3回蒸溜で造られてきました。

アイリッシュウイスキーでは通常、スコッチウイスキーのようにモルトを乾燥させるのにピート(泥炭)を使いません。そのため、スコッチウイスキーのような力強い風味を持つものは少なく、どちらかというと雑味がなくて、穏やかな味わいのものが多いのが特徴です。また、未発芽の穀物を原料とすることで、穀物の味わいがより強く感じられるウイスキーに仕上がりやすくなります。

それから、単式蒸溜機(ポットスチル)で蒸溜を3回行うのもアイリッシュウイスキーの大きな特徴のひとつ。スコッチウイスキーなどでは通常2回の蒸溜を行いますが、3回蒸溜することで、アイリッシュウイスキーに特徴的なクリアな味わいが生まれるといわれています。ただ、近年は3回蒸溜を行わない銘柄が増えています。

なお、アイルランドではウイスキーの綴りは「Whiskey」ですが、スコットランドでは「e」が入らず「Whisky」と書きます。


アイリッシュウイスキーの種類

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一言でアイリッシュウイスキーといっても、いくつか種類があります。ここでは種類別に特徴を紹介していきます。

シングルポットスチルウイスキー

アイルランド独自の製法で造られる伝統的なウイスキー。ノンピートのモルトと未発芽の大麦などを原料に、単式蒸溜機で蒸溜を3回繰り返して造られます。穀物由来の香味や香りが豊かに感じられ、口当たりはクリーミーなのが特徴です。

原料には大麦のほか、オーツ麦(オート麦)や小麦、ライ麦などが使用されることもあります。

モルトウイスキー

100%モルトを原料に、単式蒸溜機で通常3回(または2回)の蒸溜で造られます。シングルポットスチルウイスキーとは異なり、ピートで乾燥させたモルトを使用することもあります。

近年アイルランドでも続々とモルトウイスキーが生産されていますが、3回蒸溜したものは、2回蒸溜したものよりも比較的すっきりした味わいに仕上がるのが特徴です。蒸溜回数の異なる銘柄を飲み比べしてみるのも一興。

グレーンウイスキー

モルトやトウモロコシ、未発芽の大麦などの穀類を原料に、連続式蒸溜機で造られます。味わいはすっきりしていてクセがないのが特徴。ただ、おもにブレンデッドウイスキーに使用されるため、グレーンウイスキーそのものを味わう機会は少ないかもしれません。

とはいえ、グレンダロウ(グレンダロッホ)やティーリングなど新興蒸溜所のなかには、シングルグレーンウイスキーをラインナップに加えているところもいくつかあります。バーなどで見かけたら、貴重なアイリッシュのグレーンウイスキーなので、試しに飲んでみてもよいかもしれませんね。

ブレンデッドウイスキー

ポットスチルウイスキーまたはモルトウイスキーと、グレーンウイスキーをブレンドして造られます。3種類すべてをブレンドすることもあります。近年の主流はこのタイプのウイスキーで、バリエーションも豊富。とても飲みやすいので、アイリッシュウイスキーを初めて飲む場合にもおすすめです。


アイリッシュウイスキーの飲み方

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アイリッシュウイスキーに最適な飲み方をいくつかピックアップしました。いろいろな飲み方をぜひ試してみてください。

ストレート

アイリッシュウイスキー本来の風味をたのしめるのがストレートです。生産者に敬意を払い、まずは完成された香りや味わいをたのしみたいもの。ショットグラスなどに少量のアイリッシュウイスキーを注ぎ、ミネラルウォーターなどのチェイサーを用意して、交互に少しずつ味わってみてください。

ロック

大きめの氷を入れたロックグラスで、しみじみと味わうのもおすすめです。アイリッシュウイスキーは、風味が穏やかで飲みやすいものが多いですが、なかには個性的な銘柄もあります。とくにモルトウイスキーでは、蒸溜所ごとの個性を感じやすいかもしれません。そのようなタイプのアイリッシュウイスキーをロックにして飲むことで、氷が溶けるにつれてゆっくりと変わりゆく風味を堪能できるはず。

ハイボール

アイリッシュウイスキーをハイボールにすれば、より爽やかにたのしめます。そもそもアイリッシュウイスキーにはクセがなくライトな味わいの銘柄が多いものの、炭酸水(ソーダ)を加えれば、さらに飲みやすいと感じられるはずです。食事との相性もよく、初心者からウイスキー通まで幅広くおすすめできる飲み方といえます。

なお、炭酸水の代わりに、ジンジャーエールなどで割ってもおいしくたのしめます。

カクテル

アイリッシュウイスキーを飲むなら、「アイリッシュコーヒー」と呼ばれるホットカクテルも欠かせません。バーなどでも定番のカクテルで、1940年代にアイルランドの空港のラウンジで生まれたといわれています。

当時アイルランドはアメリカとイギリスを結ぶ飛行機の中継地となっていて、極寒の寒さに震える乗客に、ラウンジのチーフバーテンダーがアイリッシュウイスキーとコーヒーを合わせたものを振る舞ったのが始まりだそうです。

作り方は、温めておいた容器に砂糖を入れ、コーヒーを7分目くらいまで加えて溶かし、アイリッシュウイスキーを30ミリリットルほど加えます。最後に生クリームを乗せれば完成です。かんたんなので、ぜひ試してみてくださいね。


アイリッシュウイスキーのおすすめ銘柄

アイリッシュウイスキーのおすすめ銘柄を2つ紹介します。好みの飲み方でじっくりと味わってみてくださいね。

「ジェムソン」アイリッシュウイスキーの代名詞

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「ジェムソン」は、18世紀後半に、スコットランド人のジョン・ジェムソン氏がアイルランドのダブリンに渡り、アイリッシュウイスキーの伝統を受け継いで誕生させたブランドです。

かつては、「ダブリンのビッグ4」のひとつに数えられるボウストリート蒸溜所で造られていましたが、現在はアイルランド南部のコークにあるミドルトン蒸溜所で生産されています。

「ジェムソン」はノンピートの大麦を原料にした、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを3回蒸溜して造られるため、クセが少なく、豊かな香味とスムースな味わい、なめらかな口当たりをたのしめるのが特長です。また、原酒をバーボン樽とシェリー樽で3年以上熟成させることで生まれる、樽由来のバニラやフルーツのような香りが、いっそうの魅力を添えています。

「アイリッシュウイスキーの代名詞」とも称される「ジェムソン」の飲み方は、シンプルに炭酸水(ソーダ)で割る「ジェムソン・ソーダ」が定番。アイリッシュコーヒーなどのカクテルでたのしむのもおすすめです。


「ブッシュミルズ」クセのないマイルドさ

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「ブッシュミルズ」は、英国領北アイルランドに位置するブッシュミルズ蒸溜所で生産されているアイリッシュウイスキーのブランドです。ブッシュミルズ蒸溜所はアイルランド島に現存する最古の蒸溜所のひとつで、400年以上の歴史を誇ります。

「ブッシュミルズ」の特徴は、ノンピートの麦芽を使い、アイリッシュウイスキーの伝統的な製法である3回蒸溜で造られていること。未発芽の大麦は使わず、モルトを使うことにこだわり続けているのも特筆すべき点で、アイルランド産の大麦を100%使用しています。

熟成樽にはバーボン樽、シェリー樽のほかワイン樽、ラム樽など高品質のものを使い、ボトリングまでの全工程を一元管理しているのもこだわりのひとつ。徹底した生産体制により、軽やかでスムースな口当たりのなかに、モルトの香味がしっかりと感じられる個性豊かな味わいに仕上げられています。

クセのないマイルドさが魅力の「ブッシュミルズ」の飲み方は、爽快にたのしめるハイボールやコーラ割り、ストレートやロックなどがおすすめです。

輸入販売元:アサヒビール株式会社


アイリッシュウイスキーには、じつに魅力的な銘柄が揃っています。日本ではなじみが薄い人も多いかもしれませんが、世界的にも注目度が高まっているアイリッシュウイスキーの味わいを、ぜひ試してみてくださいね。

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