初心者インストアマーチャンダイジング的視点によるスーパー観察記

インストアマーチャンダイジングについて学んだ今回。課題図書はこちら。

インストア・マーチャンダイジングは小さなAIDMAの連続

インストア・マーチャンダイジングは店舗に来店したお客様にその場で購入の決断させるためのマーケティング的考え方であり、小さなAIDMAのPDCAを回すことだと感じました。

店舗を回りながら、
陳列位置や魅力的なパッケージ、POPなどをきっかけに「興味を持つ」
→  近寄って商品を手に取ることで「知る」
→「購入したいと思う」
→(その場で買わなかったとしても「記憶する」)
→「購入」

なので正確には【AIDMA】ではなく【IADMA】
短時間で商品に興味を持ってもらい、そこから一気にマーケティングファネルの左から右へ進んでもらう必要があるので、店舗運営するならこれ無しでは生き残れない非常に重要な考え方だと思います。

購買の9割にあたる非計画購買がメインターゲット

店舗での購買の9割が非計画購買で計画購買は残りの1割といわれています。

購買の大部分を占める非計画購買をメインターゲットに【IADMA】を仕掛けるために店内での人の行動観察・行動分析を突き詰めていくことがインストア・マーチャンダイジングのコアな部分になります。大枠は教科書にも載っていると思いますが、その店舗の立地(客の属性・周辺の店舗環境など)によってチューニングは必要になるだろうし、店舗の敷地の形によっても工夫が必要になります。

スーパー観察

今回学んだ視点で我が家の近くのスーパーを眺めてみました。
そのスーパーは2階に位置しており、3階にスポーツジムが入っています。スポーツジムへの経路は階段かエレベーターです。健康や体のことを考えてジムに通う人の多くが階段を使うとして、ちょうど2階と3階の踊り場からスーパーの店内が見えるようになっています。そこから見えるスーパーの景色は色とりどりの旬の果物や、色鮮やかな野菜が配置されていて、ジムに通う人に対し無言の勧誘を行っていてることに気づきました。(これが、米や乾物、調味料だったらスルーしているだろうな)

また、店内もセオリー通り牛乳やお茶・水といった定期的に購入する必需品は店舗の最奥に配置されていています。買うべきものを手に入れたお客さんがレジに向かう途中には、季節的な商品(今の時期クリスマス用のシャンパン的なものや、パーティ的な食べ物)だったり、特売コーナーが待ち構えていて、つい足を止めてしまうような興味を喚起できる商品が並んでいます。

ここの店舗は1年か2年前くらいに改装していて、全体のレイアウト以外で目立つようになったのが飲料コーナーの陳列の仕方です。目に付きにくい、とされる下部の陳列を工夫していて、どこにおいても商品のパッケージが全面に見えます。きらきらと誘惑してきます。

インストアマーチャンダイジング1

しかもビールコーナーに限っては棚が手前に傾斜しており、前列の商品がとられると自然と奥の商品が前にスライドしてくるようなオペレーションの効率化も図られている!

IMS画像結合

帰りのエレベーター横には見切り品のラックが並んでいて、ちょっとしたお菓子や普段は値段が高くて手を出さなさそうなちょっといい感じの調味料など大幅割引で並べてあり「あと一品買ってくれ('ω')」と訴えかけてきます。

インストア・マーチャンダイジングの恩恵

インストア・マーチャンダイジングで店舗を作ることは、店舗側にとっては売上アップにつながり、消費者にとっては自然と自分の興味を刺激してくれる情報提供がなされ快適なショッピング体験につながるので、Win-Winだよなと思っています。ちょうどYouTubeやTiktokで次々レコメンドされて興味のままにコンテンツに触れていく感覚。これらのメディアの強みはそれが個人ごとに最適化されていること。

いつかこの体験が実店舗の側でも実現でき個人最適化されると池田さんの言うone to oneのコミュニケーションをリアルタイムにマスレベルで実行するマーケティングのゴールが見えるのかな。

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