チームプレイだ!流通は。

今回は、物流、ロジスティクス、サプライチェーンマネジメントについてです。課題図書はこちら。

物流関連の書籍をここまでがっつりと読むことなんてなかったのですが、この分野も、世の中の環境に適応するように考え方を変化させてきました。
しかも自組織だけのコントロールの話で留まらない調整が必要でかなりハードな世界です。
マーケティング4P(Product、Price、Place、Promotion)では、Placeにあたります。AIDMAやAISAS、ULSSASが人にフォーカスしたコミュニケーションな視点に対し、今回のテーマは形ある「モノ」がどのような情報をもとに、原材料の調達、加工(製造)、そして消費者へ届くのかを考え抜く世界で、とてもシビアな視点が随所にでてきました。

物流

この分野は初期のころは「物流」と呼ばれ製造業者内の「製造部門」と「販売部門」のベクトルをどう調整するかが重視されていました。その調整役となったのが「在庫」。
安定的に材料を仕入れ、一定量を作り続けたい「製造部門」と、市場の環境に合わせて柔軟にモノを供給したい「販売部門」の間に、「在庫」があることでお互いの要望を満たすことができていました。その頃は、まだ今ほど製品のライフサイクルが短くなく何とかなっていたのだと思います。

ロジスティクス

1980年台からは「ロジスティクス」呼ばれる考え方が登場してきます。製造業者内で調整を図り、企業として「トータルコストを下げること」や「最適な資材の調達」が重視されます。企業内で対立していては、生き残っていけない時代がやってきて、情報通信技術や情報通信システムの活用により実現に向けた仕組みづくりが行われます。在庫を抱えるリスクをどこで、だれが(サプライヤーなのか、製造なのか、卸しか、小売りか)抱えるか攻めぎあいの時代です。

そして、情報通信技術や情報通信システムの発展の恩恵を製造業者以上に受けたのが、直接消費者と接している小売業でした。購買情報をデータ上で管理ができるようになることで、需要の予測が立てられるようになり、製造業者よりも市場を支配する力を持つようになった小売り業者に対し、製造業者は自社内の調整どころではない状況が生まれました。卸し業者や小売業者のマネジメントに力を割く必要が生じ、かつ重要度が高く社内最適化を重視する「ロジスティクス」なんて言っていられなくなります。

サプライチェーンマネジメント

その後、世の中に情報があふれかえる時代があっという間に到来し、多くの商品がコモディティ化し始めるとだれが在庫を抱えるかを押し付けあっている場合じゃない!みんなでどうやって在庫を抱えないで済むかを考えるために協力しあう時代がやってきます。「サプライチェーンマネジメント」と呼ばれる考え方の時代です。

情報通信技術により消費者の情報を共有し合い、柔軟な供給体制を組み立てながら極力需要をコントロールし、それぞれの業者同士(チェーン同士)が在庫を抱えないように協力し合う。視界(情報)を共有し合い、徹底的に無駄を省き、お互いの得意な能力を生かしあう。まさに少年ジャンプに掲載されていた「NARUTO」に出てきた、敵忍者、長門(ながと)のようだと思いました。

長門は、膨大なエネルギー(チャクラ)をもった本体が自分以外の6体の忍者の体を輪廻眼(六道の術)という能力でコントロールします。それぞれの忍者の視界を共有され、それぞれの得意忍術で無駄のない連携を繰り返しナルトの師匠である自来也先生を倒すほどの実力を持っています。自来也先生のことが好きだった僕としてはとてもショックでした。

本体が自分以外の6人の能力を把握し情報(視界)を共有することで強さを手にする。長門の話は極端かもしれないですが、最適なサプライチェーンマネジメントの実現するために求められることは、各バリューチェーンの構成員の能力を理解し、それを最大限引き出し連携させる仕組みや信頼関係づくりなんだと思います。

マーケティングの4Pの中で1番、手を付けられずらい「P」であるとの記述もありましたが、だからこそここに手を付けることができた企業は強いのだと事例などからも感じました。

▼文字文字しいですが忍術については「長門」参照



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?