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人は比較する生きもの

弊社では「TPA」という制度(マーケティングだけでなくビジネスで必要な領域を幅広く学ぶ)があり、その機会をいただきました。今回のテーマは「行動経済学」です。

「経済学」は論理的に合理的に消費について語る学問であるのに対し、今回テーマの「行動経済学」は人の感情や心理に重きをおいて消費行動について語る学問です。
普段自分たちが生活の中で合理的ではないがそう判断している構造やこころの動きみたいなものを学ぶことができました。「そうそう。こういうことあるある」とうなずける内容も多く現実に即した話で楽しく読み進めることができました。また。そこで出てくる法則や理論は1つ1つが絡み合って結果としての行動に現れるという奥深い内容でもありました。

その中で個人的に印象的だったのが「人は比較する生きものである」です。

人は比較する生き物

出典:「予想どおりに不合理」P34より

上図が僕の中で「人は比較する生き物」ということを印象づけました。
ただの錯視としてしか見てこなかった図でしたが行動経済学的なとらえ方をすると同じものでも比較する対象によってそのものの価値が変わる
この図の通りのことが現実に起きている不合理な判断の仕組みです。

行動経済学の理論的な話

行動経済学の考え方の中から比較する生き物であることがベースにある考え方をいくつかピックアップします。

「おとり効果」…よく見せたいもののそばにそのよく見せたいものより少し劣るもの(おとり)を置くことでそのよく見せたいものが良く見えるようになる効果。

「アンカリング」…経験したことだったり購入したことだったり、自分の中で基準となものがあればその基準(アンカー)に基づいて以降の価値判断が行われる。

「現状維持バイアス」…変えた方がよいことはわかっているがなかなか行動して現状を変えることができない心理。(これも今の自分と行動した結果うまくいかなかった時の自分とを比較していると思う)

普段の業務上の話

業務上のレポートも常に何かと何かの比較で報告をしていて比較対象がないとそれが良い結果なのか悪い結果なのか判断つかないこともよくあると思います。

もっと細かい話でいうとSNSの投稿文の中で複数の遷移先URLが載っていると結局どれが一番自分にとって有益な情報であるかタップする前に比較します。比較するがゆえに選択に迷うとURLのクリック率(タップ率)が下がるとかもあるので、比較しなければ起きない事象なのかなと思ったりしました。

普段の生活でも

基準となる価格がある商品やサービスであればそれと比較して機能性や価格を総合的に判断し価値を決めています。(コスパいいとか、また来ようとか)

グルメでも比較の概念はあり、おいしいものの味を知っている人はその基準となる味と目の前のものの味を比較します。それで味がおいしい/おいしくない、値段的にはあり/なしを判断して今後の行動(また食べるか/もう食べない)を判断すると思います。

ちょっと話は遠いかもですが特番として放送されている「芸能人格付けチェック」のGACKTさんはあらゆる分野において自分の中で基準(アンカー)があり、かつその基準がものすごくくっきりと持っている方なんだろうと思います。だから基準と比較して本物かそうでないかを見分けることができ正解を量産できるんだろうなとふと思いました。

自分たちがこの考えをより理解するために普段から自分の行動・判断を振り返りながら生活するのも一つかなと思いました。

今回の課題図書はこちら


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