マーケティングについて学ぶ⑬
マーケティング・リサーチ
企業が開発を進める際、どのような製品を開発するのか検討をつける必要があります。そのため、売れる製品やサービスを開発することを目的として、マーケティングリサーチを行います。マーケティングリサーチには、探求型リサーチと検証型リサーチがあり、探求型リサーチとは、製品やサービスを開発する前に行うもので、新たなマーケティング機会を探るために行う調査です。市場にはどのような需要があるのか、これから求められる製品やニーズなどをリサーチすることで、売れるであろう製品やサービスに関する仮説を構築します。需要の探求が目的です。検証型リサーチとは、構築した仮説が正しいかどうかを確かめるために行うもので、ただ売れたか売れなかったかだけを調査するのではなく、その原因を探ることによって、次回の商品開発に生かしていきます。定期的に調査を行うことで、トレンドの変化やブランドの認知度を調べることにもつながります。効果の検証が目的となります。PDCAサイクルでは、Planの段階で探求型リサーチ、CheckやActionの段階で検証型リサーチを行います。マーケティングリサーチを行うことで、直感や経験を頼りに事業活動を行うよりも、何が良くて、何が悪かったのか明確になるため、反省や改善がし易くなります。
マーケティングリサーチに必要な情報
マーケティングリサーチに必要な情報は、マーケティングリサーチの目的によって異なるため、予め何のために行うのか目的を明確にしておく必要があります。マーケティングの原点は消費者の需要に対応することであり、マーケティングリサーチの本質は、顧客を獲得するために必要なありとあらゆる情報の収集が目的ではなく、活用することが目的であるため、活用できない情報は無意味です。
マーケティングプロセスの各ステップで必要な情報
・市場機会の発見
ニーズ、ライフスタイル、満足度、不満、購買行動、継続購買動向、価値観、使用実態、企業に対するイメージ、ブランド認知、市場規模、シェア、競合企業、製品など
・STP分析
ユーザープロフィール、セグメントの特性、企業イメージ、競合他社のポジショニング
・製品戦略
製品コンセプト、デザイン、品質
・価格戦略
価格の妥当性、競合の価格
・流通戦略
チャネルのニーズ、商圏
・コミュニケーション戦略
広告コンセプト、市場浸透度、キャンペーンの効果
1次データと2次データ
1次データとは、何かの目的のために収集するデータのことで、企業が顧客のニーズを探るために、どのような趣味嗜好があるのかを調査したデータなどのことであり、2次データとは、政府系の機関がリサーチによって収集したデータや、外部機関が公表している統計情報、事業活動の中で他の目的として社内に蓄積されたデータベースなどをいいます。
定量データと定性データ
定量データとは、POSデータなど、何人の顧客が来たのか、男女比はどれくらいなのか、年齢層はどうなのか、数値化できるデータであり、定性データとは、こんな商品があったらいい、営業時間がもう少し長ければ、店内のここを改善してほしいなど、数値化でいないデータのことをいいます。
マーケティングリサーチ手法とプロセス
①リサーチの目的の設定
↓
②仮説の設定
↓
③リサーチの設計と実施
↓
④データの分析と仮説の検証
①リサーチ目的の設定:そのリサーチによってどのような結果を得たいのか、目的を明らかにすることで、リサーチ活動に一貫性が出ます。
②仮説の設定:マーケティングリサーチでは、無駄は排除することが重要であるため、仮説を設定しておくことで、リサーチすべき対象を絞ることができます。
③リサーチの設計と実施:目的で決めたような、誰に、何を、どのような方法で、どのくらいなどをより具体的に煮詰めていきます。サンプルの設定、質問の設定、リサーチ手法の選択など、リサーチ対象者を決めて、どのような質問をするのかを考案し、具体的な方法にまで落とし込みます。
④データの分析と仮説の検証:仮説とすり合わせてどの程度正しいか、異なっているなら何が原因として考えられるのか、などについて検証します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?