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やはりこうなってしまった

まだ金の値段が2000円かそれをちょっと超える頃のお話です。
鈴木その子先生がご存命の頃に、しきりに
「金を買いなさい」と仰っていました。
『いまはまだ平和だから金が安いけど、世の中が不安定になったら必ず値段は上がる、
自分や家族を守るための手段を平和なときにこそ考えなければなりません』と。
当時からネットでお小遣い稼ぎくらいはしていましたが、金を買う度胸がなくて、ちょっとだけ高い指輪を買いました。

一目見ただけで、誰もが二度目するような指輪です。
金をたっぷり使ってあるので、指に嵌めるとズシリと重い指輪でした。
それを1度トイレで無くしてしまい、再度注文したときには金の値段が上がっていて最初の指輪とおなじものなのに4万も高くなっていました。

あのとき買っていたらと、何度も思いましたが仕方がありません。
ソノコ先生が戦時体験をしているせいか、
モノがない恐ろしさを知っていました。
ソノコ先生のご実家は大変な資産家でしたが、
それでも食べ物が無くなるという恐ろしさを身に沁みてわかっていたからだと思います。
モノは食べ物に変えられるということを何度も話していました。

あのときは、まさかと思いながら聞いていたことが現実になりつつあります。
物価の高騰、そして、食料問題……

ソノコ先生のご実家には、蔵にぎっしりと保存食が備蓄されていたそうです。
乾物類、パスタ、干うどんなどなど。

それでも足りなくなり、野草も食べていたそうです。
両親がいないときに、遠方からとつぜんの来客があり、自分の庭に生えていた野草や缶詰などで懐石料理風にしてお出ししたことなどは本にも書かれています。
自分や家族を守るために、
これからはなんでもしなければならなくなるかもしれません。