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P.V.L.日記 父子入院4日目 節句

5月5日

PTが9時から。OTが13時50分から。その前後に朝食、昼食。食事の度に検温と排便、食事量のチェックがある。やっぱりというか連休最終日の入浴順は隙間なく埋まっていた。きっと皆さん祝日の外泊から帰ってきたんだな。ここ2日間の入浴は後続者無しのため余裕をかましていたが、今晩は機敏な行動が要求される。

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それはそうと今日は子どもの日である。だが病院の配膳にそれらしき色づけは一切ない。しかたがないのでダイソーで買ったこいのぼりを病室に泳がせた。思い返せば昨年の入院もこの時期で、妻が近くの和菓子屋さんで柏餅を買っていた気がする。夕方にはその妻から飾り付けられた五月人形の写真がLINEに送られてきた。明日、コンビニのネットプリントで印刷して病室に貼ってあげよう。じいちゃん、ばあちゃんも寂しかろうと思い夫婦両方の親にビデオ通話をするも、今日が子どもの日であるような話題は皆無だった。

息子は、ひらがなの練習がしたいと鉛筆を看護師さんにお願いしたり、入浴中に耳に水が入ったので綿棒をお願いしたり、比較的何でも自分で話すことができるので忘れがちだが、まだ3歳である。昨日は病院のトイレが自動で流してくれることに驚愕していたし、PTで壁伝いにカニさん歩きをしようと言うとなぜか「イカさん歩き」にすり替えてしまう。「サメさん歩き」を経て、最終的には「イルカさん歩き」になってしまった。散歩に出かけたら消防署の掲示版に貼ってある啓発ポスターが目にとまり「あれはどういうことや」を20回は繰り返している。どうやら救急車を不必要に呼ばないための呼びかけに納得がいかないらしい。(2歳で救急車経験済み)

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はたまた、お部屋のお友達のオモチャが不意に額に激突したときは、お友達を叩くでもなく泣くじゃくるでもなく、咄嗟に膝元のプラレールの駅をつかんでプラスチック製の屋根をガリリリッと噛んで食いしばり、涙声を押し殺しながら険しい形相で堪えていた姿に胸を打たれた。

特に最近のお気に入りは「スコップ型スプーン」で、食事の際には必ず発掘作業を催促される。いわゆる強制労働である。今日もカレーライスとカボチャを皿の底が見えるまで繰り返し発掘させていただいたが、その甲斐あってかほぼ完食することができた。発掘作業が滞ると幼児の十八番「食べながら寝落ち」が待っていた。何はともあれ、子どもの日おめでとう。(続く)

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