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50日目 ハロウィンから始めよう

人生で初めてのハロウィンパーティだった。「私が初めて」だったのだ。同じ幼稚園の親子さんが主催してくれたパーティーに保護者として参加した。とうわには苦し紛れのフェイスペイントで悪魔っぽさを施したが、他の子どもたちの完成度の高い変装には歯が立たない。突然とうわが大声をあげた。「僕がめっちゃおるでーーーー!」うん?あ、そういうことね。会場がダンスのレッスンルームだったので全ての壁が鏡になっていて、合わせ鏡に映った自分も姿がどこまでも続いていたのに気づいたようだ。合わせ鏡に連なる悪魔。昭和生まれの怪談で育った私は怖くてしかたがない。

今日は朝から療育センターでリハビリ。電車で摂津本山駅まで行き、いつものセブンイレブンでいつものお姉さんとおしゃべりしてからおやつとジュースを選んで東部療育センターの3階へ上がる。エントランスで療育学級のときにお世話になって先生から「がんばってな」と声をかけられた。腰の筋力をつけるため輪投げを使ったゲームで鍛える。歩行器で訓練。

午後からハロウィンが待っているため、リハ後にデイのお迎えはなく久しぶりにとうわと昼ご飯を食べる。とうわは、センター近くのたこ焼き屋でイートインするのをとても楽しみにしていたようだ。駆け足で店内に入っていき見事にこけた。椅子に額をぶつけてたんこぶができてしまったが、それよりもたこ焼きへの意欲が勝る。泣かない。一人前にしょーゆマヨを3個たべると「うんち!」と叫んで、奥のトイレへ。すっきりした顔ででてくると再びたこやきを食べ始めた。

六甲道駅で降りてファイスペイント用のクレヨンを100均ショップで探すと、うっかりおもちゃ売場を通ってしまった。すかさず物色し始めるとうわ。カラー粘土とジェルをゲット。三宮行きのバスに乗り換えると、いつも気にかけてくれる運転手さんで「この時間に乗るのめずらしいなー」と声をかけてくれ、バギー用に座席を整えてくれた。とうわが帰宅するなり粘土を練り始めたので、15時20分開始のハロウィンに間に合うように急いで家をでてバスに乗り込んでハロウィン会場に向かった。

パーティーから帰宅すると、恭子さんが帰ってきて「帰りのバスで、昼間にお子さん乗せましたよ、って言われた」と。今日は父子も妻もあの運転手さんだったようである。バスの運転手さんと馴染みになるのはいい。私の小学生時代は村の路線バス兼スクールバスの運転手さんによく話しかけにいっていた。信じられないが勝手にルートを変更する人、偽造クレカの作り方を教えてくれる人、元プロ野球選手など個性的な面々だったことを思いだした。

それで、結局ハロウィンってなんだったんだ。

20231025

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