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P.V.L.日記 父子入院1日目 痙縮

PVL(脳室周囲白質軟化症)から独歩をめざしリハビリ入院、
3歳児と父親が入院という名の合宿生活。
入院手続き


5月2日(月) 

息子が生まれる前に買った三行日誌は、1日目を書いたきり絶筆。あれから実に3年9ヶ月が過ぎていた。日誌に成長を記録しようと思った息子はもう4歳目前だ。とにかく日記は苦手なこと第2位である。(1位は寄せ書きのコメントである)息子は生まれてすぐに脳室周囲白質軟化症(PVL)の可能性があると診断された。

脳室周囲白質軟化症(PVL)は脳性麻痺のひとつで、出産時に胎児の脳室の周囲の白質というところが虚血し壊死することで運動神経に麻痺が出ることが多い。息子は下半身に痙縮があり、3歳9ヶ月の現在も5歩程度しか独歩することができない。継続的にリハビリを受けながら、年に一度は大阪のボバース記念病院に親子で入院して1ヶ月間を病院で過ごし、リハビリや診察や補助器具の調整などを行っている。今年は私が最初の2週間、次の1週間を妻と交代して、最後の1週間はまた父子入院となる。

入院には、自宅で使っている座位保持椅子や立位台などの大型の福祉器具も持ち込む必要がある。車を運転できるのが入院する私だけなので前日に搬入した。ところが、病院の前の道路が一方通行。古い35年前のワーゲンのバンは、助手席側にしかスライディングドアがない。玄関に向かって逆方向に止めなければならず早速あたふたする始末。病院にヴァンゴンが止まっている構図はそれはそれで面白いのだが・・・



初日はPCR検査から。ここで陽性だともちろん即アウト。入院自体取りやめになってしまう。鼻に検査棒を突っ込まれた息子は泣くかと思いきやケラケラと爆笑していた。お部屋の説明を受けたあとは、まずカンファレンスがある。ここで今の体の状況や普段の生活の様子を伝え、体の動きをビデオ撮影する。息子は随分と足が動かせるようになってきた割には痙縮が進んでいないので良い状態ではある。ただ、成長に伴って痙縮が強くなることもあるためボトックスという緩和するための注射も検討しながらリハビリを受けることになった。カンファレンスの問診をもとに、この1ヶ月間のリハビリの到達目標が設定される。我々チームの目標は「左右非対称の軽減と立位歩行の向上」である。


病室は父子入院組の相部屋。幸い今回は4人部屋に2組で、しかも同じ神戸の方で子どもの年齢も近いので嬉しい。それよりも最大の懸念は私の「いびき」である。こればかりは避けようがない。常々、いびき専用ゲストハウスでもあればいいのに!と思っているくらいである。全国の宿泊関係の皆様、ぜひご検討ください。せめてもの対策でノーズライトを鼻に貼って鼻腔を確保し、できるだけ横向きで寝るしかない。

とにもかくにも入院が始まった。


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