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P.V.L日記 父子入院10日目 駄々

PVL(脳室周囲白質軟化症)から独歩をめざしリハビリ入院、
3歳児と父親が入院という名の合宿生活。
OTが11時30分から。PTが15時5分から。
三食介助、入浴、洗濯。

5月11日(水)

通院拒否である。さすがに飽きてきたのか廊下で必死の抵抗を試みるも、そこは百戦錬磨の先生方である。あっけなくPT室に入室させられて行く息子。残念でした。今日は終始ごね通しである。お着替えはしないし、ご飯は食べない。お風呂も入りたくない(鍵を閉めるとなぜか号泣して施錠拒否)まあね。仕方ないよ。毎日リハビリの繰り返しだから嫌にならない方がおかしい。そんなもんである。

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気分が乗らない日は、こちらが作戦変更。リハビリ室にあるおもちゃや絵本ではなく、持参したお気に入りのおもちゃで集中力を出す。ごっこ遊びやゲーム性を加味してやる気を覚醒させる。大人も必死である。親は平常から子どもの特性を知っているので、その点においてはセラピストさんよりも早くポイントをつかめる。二人の協力が欠かせない。親子靴下脱ぎ競走を開幕させて、ぎりぎで負けることや、ジャジャーン!と唐突に大声で絵本を取り出して気を向けさせること、あるいはトイレに行くふりをしてそっと気配を消すこと、終了間際になれば片付けの動作に移るきっかけを出すなど。じつは、親も1時間の施術の間中、時間と空間と行動をデザインし続けているのだ。おや?これは?実にワークショップデザイン的ではないか。こんな場面で私のいくばくかのワークショップデザイナーとしての経験値が活きてくるとは。7年前の秋、12万円も身銭を切ってワークショップデザイナー養成講座を受講した決断を自画自賛したい。

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そういう視点で観ると、部屋を出て廊下を歩き、1階のリハビリ室に向かうまでや、3回のご飯から就寝までの流れ、照明の調節やyoutubeを見せるタイミング、全てがデザインできる。デザイナーとして一番手強い「関心の薄い強制参加者」である3歳時にどう理解とモチベーションを持ってもらうかという難題に挑める絶好の機会である。仮説と設計と意図を持って臨み、毎日振り返りと改善ができるまたとない機会であることは間違いない。ある意味私の職業訓練である!とはいえ、早く寝ようぜドラえもん・・・(続く)

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