ふりかえり のお作法

ふり返り のファシリテーターをやることが比較的多い(会社単位でもチーム単位でも、社外活動でも)ので、普段気をつけていることとか、逆説的で罠にハマりがちだよなーと最近気づいたことを備忘録的にまとめておく。

1. タイムラインをまとめる

ふり返りの対象について共通認識を持っておけるとよい。なので、時系列順でやったこと、起きたことをまとめておけると捗る。とくに期間の長い取り組みであれば尚更。

いざふり返りをしようとしてみても思っている以上に忘れているもので、印象深い(なぜかネガティブなこと)しか出てこなかったりするので、出来事をタイムラインにまとめておくことで「はいはいこんな感じだったよね〜」という共通認識を持つことができ、同じ土俵で喋れるようになる。

このタイムラインは誰がまとめてもよいが、ファシリテーターがまとめておけると自分自身のふり返りにもなるし、まとめることで議論の流れや落とし所に何となくアタリを付けることが出来る気がする。叩きだけ作ってふり返りの時間の冒頭15分くらいでみんなで肉付けするとかでも全然良い。

以前KPTに関する知見が集まるtwitterのスレでも似たような意見を見かけた。ビジョンしかり、タイムラインしかり、共通の文脈を作ることが大切なのだと思う。

(KPTに関する知見がメインであるものの)このスレは他にも色々と学びがあってよかった。Togetter にもまとまっているので興味がある方はぜひ。

2. 踏み込んだ質問をする

ふり返りであるあるなのが、「これ言ったら◯◯さんに悪いかな〜」という遠慮が各々に発生して、当たり障りのない意見だけに終始してしまうこと。

上辺だけのふり返りにならないように、ファシリテーターは積極的に 言いづらい、踏み込んだ質問 を投げていけると良いと思っている。別にファシリテーター自身が質問しないといけないわけではなく、そんな感じのこと言いそうだなって人がいればその人に話を振るだけでも良い。(そんなこと言いそうだな〜って人は振られなくても言ってくれると思うが…)

どうしても最初は空気が固く、お互い探り探りの発言になりがちなので、できるだけ早いタイミングで誰かが 良い意味で空気をぶち壊す質問 をすることが大事。

ブレインストーミングとかにおける マクドナルド理論 と同じような感じのものな気がする。

ランチタイムにどこのお店に行く?という話になった時、「マクドナルドに行こうよ」と提案すると満場一致で「マクドナルドはやめようよ」と返され、不思議とよりよいアイデアが出てくる、というのがJon Bellさんの提唱する「マクドナルド理論

3. 無理に収束させない

これは結構罠というか、逆説的だよな〜と思っているポイント。ファシリテーターを任されるとついつい、時間通りに進行して最後にネクストアクションを決めて〜というふうに考えてしまいがちで、真面目な人ほどそうしてしまうが、個人的にこれはややアンチパターンなのかなと思っている。

時間通りに進めることを意識しすぎると「これ言ったらごちゃりそうだし止めとこうかな」みたいな感じで、議論の収束を各々が意識してしまって(とくに議論を呼ぶような重要な)発言が出にくくなってしまう。そんな状態で議論を収束させてネクストアクションをまとめたとしても、議論が上辺だけで終わっているのでネクストアクションも上辺だけのものになってしまう。Garbage In, Garbage Out みたいな。

上辺だけ、形だけのネクストアクションを出すことに意味はなくて、共通認識をちゃんと作ること、良かったこと悪かったことについて各々が腹落ちした状態になること こそがふり返りの目的だと思うが、収束を意識しすぎるとこれが達成されず、ふり返りを行うこと自体が目的になっているような状態になってしまう。とりあえずネクストアクションが出ていればOK、みたいな。

仮に発散で終わってしまい、ネクストアクションまで落とし込めなかったとしても、各々が良かったこと悪かったことについて正しく共通認識を持つことができていれば、自ずとボトムアップで改善の動きが生まれる気もしている。最悪なのは 上辺だけのネクストアクション にフォーカスしてしまうこと で、真面目にふり返りをしちゃうとこの罠にハマりやすい気がしている。

4. 良かったこと、悪かったことを話す時間は分ける

4つ目は軽いは Tips 的な内容だが、ふり返り ≒ 改善案を出す という認識が強いからか、よーいどんで話すとどうしても「ここがダメだった、あそこがイマイチだった」など、悪かったことに意識が向きがちになってしまう。なので、良かったことを話す時間と悪かったことを話す時間は明確に区別したほうが良い。区別せずとも良い意見がたくさんでてくるチームは良いチームなんだろうなーと思う。


とりあえず 1〜4 までまとめてみたが、まだまだある気がするので、思い出したら追記する。

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