久しぶりに出会った運命のひと
その昔。
一度目の離婚のあと。
夫2と息子と3人で、遠くの観光地に出掛けた。
家から300キロも離れた場所である。
そこで。
夫1と、ばったり出会ったことがある。
相手は女連れだったし、こっちも夫2がいたので、挨拶程度の会話をしてすれ違っただけだが、その偶然に、ものすごく驚いた。
その話を友人にしたところ「子まで成したんだから縁があるんだよ。ある意味、運命のひとなんだから。」とのこと。
運命のひと、かぁ。
確かになぁ。
なんだか妙に納得した21年前のゴールデンウィーク。
そして今日。
次女とサイクリングに出掛けた。
途中のコンビニでひと休み。
レジで並んでいると、次女が「あ」と小さく声を出した。
ん?と次女の目線の先を見ると…。
レジで会計中の夫2。
おおお!?
ホンモノ…?
だな。
すげー偶然!
でもま、子を2人も成したんだから運命のひとでは、あるのだろうな。と思い直す。
「おーい」
気が付いたら夫2に向かって声をかけていた。
私の隣でびっくりする次女。
硬直する夫2。
驚いて動作が止まる夫2に更に声をかける。
「それ買うついでに、これも買ってくれ!笑」次女が手に持っている商品を指差した。
もちろん冗談だ。
でも「別にいいよ?」と手を出す夫2。
次女に「お父さんに買ってもらったら?」と声をかけるが「自分で買うから。」と断固拒否。
誕プレとか、ねだってるくせに?笑
「うそうそ。自分で払うよ。」
そう言ってレジに向かった。
会計を済ませた夫2が近づいてきた。
夫2「どっか行くの?」
私「ああ、サイクリング中」
夫2「そっかー。」
しばし沈黙。
夫2「え?どっか行くの?あ、サイクリングか。」
大丈夫か?
上の空か?
テンパってるのか?
何か言いたいことがあるのか?
自分たちが会計を終え店を出ようとすると、夫2がコーヒーを作っていた。
私「あ、それ、私のコーヒーでしょ?」
夫2「あげてもいいよ?」
いやもちろん冗談です。
店のそとで立っていると夫2が近づいてきた。
「さくらに声かけられて、あんまりびっくりしすぎて、アイスコーヒーなのにホットのボタン押しちゃったよ!笑」
そこにはカップに溢れんばかりのコーヒーが。
相変わらず、変で間抜けで面白い人だなあ。
そういえば通常時は明るくて楽しい人だったよな。
もう深く関わる気はないけど、偶然会って、軽口を叩くぐらいは、楽しくていいな。
夫2「母と姉と姪っ子が来てて、これから出掛けるんだ。」
あ。
最後に私に、これでもかと暴言を吐いたお義母さまと、結婚直後からネチネチ私をいじめ続けたお義姉さまもご一緒で?
そら、いかん。笑
夫2は運命のひとかもしれないけど、彼女らにとって私は、大嫌いな敵だからね。
退散、退散。
「道中、気を付けてねー」
「そっちもね」
そう言って久しぶりに出会った運命のひとと手を振って別れた。
ともあれ。
元気そうで、なにより。