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オトコの傷は、おんな子どもでも癒やせるか?-とうとうフラれました その3

「彼からの別れを受け入れる。」

と決めたものの。
拒絶されたままでは心が痛すぎる。

なんとか最後に一度、顔を見て話をしたい。

そう願ってメールを送るが「もう会わない」と拒否される。

そうか。
もう、顔を見ることも叶わないのか。

そうとなれば。

この心の傷を。
さらけ出して泣きわめくしか、癒やす方法は無い。

家にいた次女とあーちゃん(息子の妻)に泣きつく。

私「聞いて!ガチでフラれた!!」

あ「え?さくらさんがフったんじゃなくて?フラれたの??」
私「そう!フラれた!!ラインもインスタもFacebookも全部ブロックされた!くそー、あんなに頑張って来たのに!!!」
そうしてボロボロと泣き始める私を、あーちゃんがそっとハグしてくれる。
泣き続ける私の背中を撫で続けてくれる。

あ「オトコの傷を癒やすにはオトコしかないよ!」
私「だよね?私もそう思う!!」
妙に盛り上がるオトナふたり。

娘「ええー?もう、オトコはいいじゃん。慌てて見つけてもロクなのいないよ?」

11歳児に本気でたしなめられる51歳児。笑

あ「話ならいくらでも聞くよ!」
そいつはありがてぇ!

私「聞いてよ!」
そっからグチグチと、彼に受けた仕打ちを話し始める。
あ「…。そりゃあ酷いわ。別れて正解だよ!」
ですよね!?

私「別れて良かったと思ってるし、このままじゃ続かないこともわかってる。だけど!だけど!!突然いなくなったから衝撃が…。」
あ「だよね。わかるよー。キツいよね…。」

失恋して嫁に愚痴を言う姑。笑

身の回りの、あちらこちらに彼の存在が散りばめられている。
私「ああ、このラーメン、おみやげにもらったヤツ…。」
あ「よし!今からみんなで食べよう!」
私「このアクセサリー、まだもらったばっかりなのに…。」
あ「モノには罪はないよ!売ろう!!」
私「携帯に写真がたくさん…。ううう。でも、これはまだ消せない~。泣」
あ「消したくなってから消せばいいよ。とりあえずパソコンに移しとこ?」
いちいち、ちゃんと反応してくれる、あーちゃん。
優しさ…。

そうして
「彼と別れて良かったこと」
「彼と別れたからこれから出来ること」
を、ひとつずつ数え上げる私に
「そうだよ!まだまだこれから、なんでも出来るよ!!」
と励ましの声をかけてくれる、あーちゃん。

ううう。
本当にありがたい…。

止まらない涙を流し続け。
痛む心を言葉にしてさらけ出し続ける。

そんな私を優しく慰めてくれる、家族。


痛み続ける心をなんとか紛らわせよう!!と他にも策を立てる。

リアルSNSに「フラれました!誰か一緒に吞もう!!」と投稿。
(私のアカウントは鍵付きで知り合いしかいない)

「時間あるよー」とコメントをくれた友人たちと、私の失恋をネタに吞もう!と話が決まる。

「じゃあ、飲みにいってくる!!」
グズグズ泣きながら飲みに出かける私を快く送り出してくれる家族。

彼との初デートのお店で「思い出の店なのに~」と泣きながら、生大を次々と飲み干し、愚痴を言いながら泣き崩れる私を「よしよし」と慰めてくれる友人たち。

泥酔して帰宅する。

足取りもままならない私を、次女が面倒を見てくれる。
「はい、コンタクト外して」
「はい、これ、歯磨き」
「メイクは落とせる?」
11歳児にお世話される51歳児。笑

ぬくぬくのベッドに潜り込み、次女をぎゅっと抱きしめる。
次女がぎゅっと抱き返してくれる。

そうだ、私には、こんなに強い絆がある。

恋人との絆は、彼の気持ちひとつで簡単に切れてしまった。
そんな細い繋がりに、私は何を期待していたのだろう。

私を優しく包んでくれる私の居場所は、ここにあるのに。

もう、いいや。

ゆっくり眠って。
目が覚めて。

本当に最後にしようと、メールを彼に送る。


しんちゃんと出逢えて幸せだった。
一緒に過ごしてくれて、ありがとう。
出逢えてからずっと楽しくてずっと幸せでした。

私は今まで一度も、しんちゃんを嫌だと思ったことはないよ。
そうして、これからも、しんちゃんを嫌いにならない自信があるよ。

だから、もしもバイクですれ違ったら手を振るよ。
もしもどこかでばったり会ったら、コーヒーをご馳走するよ。

最後、しつこくしてしまってごめんね。
突然のことで受け入れるのに時間がかかってしまって。
嫌な思いをさせてしまったと反省しています。

私も本当に大好きだったし、愛する気持ちでいっぱいでした。

素敵な恋愛を、ありがとう。
しんちゃんには感謝しかありません。

またね!


よし。
これで、一区切り。

私は私の新しい人生を進んでいこう。

いままで開くことの無かった扉を開いていこう。

強い絆で繋がった家族と友人たちに、少しずつ支えてもらいながら。