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グランヴィルの描法

備忘録――

Grandville

グランヴィルの描出法-1

Grandville



(まだ~ない)と(もう~していた)との間の
見えない隙間に 触れえた気がする。
忘却されえぬ未到と参与であった喪失、
「両者を - ともに - 描い」てしまえば、忽ちのうちに 踏み外してしまう
あの地点。
まといつく死――。
描法が逆さとはいえ モランディも然り。
生も死も さぞ受け容れがたかったと 思われる‥‥。


Grandville

グランヴィルの描出法-2

グランヴィルの、”今まさに描出しつつある世界” への共振力は
真に迫り過ぎている‥‥‥‥。
辛辣さを辛辣さとして、魔界を魔界として、精鋭に描き切ることができれば、これを超え出てしまえたかも しれぬというのに‥!

影と方位を、沈黙と佇みの淵へと、かえっていよいよ内部化してしまう真摯さが、痛ましい。


Grandville


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J ・J・ Grandville 1803-1847
カリカチュール(風刺)画家
本名 ジャン=イニャス=イシドール・ジェラール
フランスの南東、ナンシーにて細密画家である父ジャン=バチスト・マチアス・ジェラール・グランヴィルとカトリーヌ=エミリ・ヴィオの四男として生まれる
21歳のときパリに行き「Les Tribulations de la petite proprieté」と題したリトグラフ集を出版。その後「Les Métamorphoses du jour」(1828-1829年)で名声を確立する。それは胴体が人間で首から上が動物で描かれている風刺画の作品集であった
その後、体制に対する風刺画からより幻想的な作風に変化し、花を擬人化した作品集「花の幻想」(フルール・アニメ)、より幻想的な「別世界」などの作品集が残っている
後年発狂する


グランヴィルについて、拙著「此岸から彼岸への扉―八ヶ岳高原便り」に書き記しています。
見ていると、影の非連続の連続と、行列が多いのが了るのですが、
メタモルフォーシス(μεταμόρφωσις, metamórphōsis)が隠れた主題になっています‥。
これらの胚胎する、逃れることの出来ない 死の佇み・狂気の沈澱作用 について気になっていたら、ひとつの 薔薇の登場する画(上既出)が、薔薇十字団とどこかでつながるのではないかと、最近思い始めました。

ご興味が湧きましたら是非♡

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