国産エナドリが弱い理由

エナジードリンクのブランドと言ったら「モンスター」「レッドブル」の2強であると思う。

これらはそれぞれオーストリアとアメリカで、日本ではない。

エナドリのパイオニアだから強いというのはもっともであるが、どうして日本において国産エナドリが弱いのだろうか。

エナドリの土俵の特異性

そもそも、エナドリは他の飲料と違ってブランドもののバッグみたいなものである。エナドリの会社は徹底的にブランドの世界観を作り出し、その世界観を消費者は買うのである。そのためエナジードリンクを好む人々の中には、「モンスター派」「レッドブル派」と明確に派閥が存在する。

味、名前、缶横のポエムから構成される一種の芸術品である。
そのためエナジードリンクには高いクオリティが求められる。

コストリーダーシップ戦略

日本でエナドリを作っている会社はだいたい100円代でエナドリを作っている。安さで勝負しようとしているがこれはいい選択とは言えない。だいたい安いものは味が変であったり、陳腐なデザインをしている。

100円エナドリはよく薬局やスーパーのプライベートブランド商品として売られている。これは安いエナジードリンクを売ることで若い人を店に呼び込む戦略である。

ところが、消費者はエナジードリンクはブランド物としてみているので高かろうが安かろうが美味ければ買うのである。

したがっていくら安くしたところで味を認められファンを得られなければ売れない。

また、スーパーマーケットベルクの「BARK」というエナジードリンクはPBで珍しく成功しているようで、Amazonに進出した。

失敗すれば客寄せにならず、成功しても通販に進出して客寄せ戦略から少しずれる。そのため、始めから200円でもいいからクオリティの高いエナドリを作ったほうがいいのではないだろうか。

ZONeの戦略

そんな中、国産でも日本で人気なZONeと言うエナジードリンクがある。これはサントリーが販売しているものである。

ZONeが上手くいっているのはサントリーという大手企業が売っているからだと思う。というのも、ZONeは発売初期は半額キャッシュバックを頻繁に行い、他の分野のインフルエンサーとコラボしたからである。

そして、サントリーの他の商品の技術を使うことで質の高い新商品を多く作ることができたのだと思う。

しかしながらZONeは一過性のコラボ商品が多く定着する商品が少ないため、ブランド力が弱く、コンビニやスーパーで必ず見かけるということはない。

個人的な意見としてエナジードリンクビジネスとしては成功したが、エナジードリンクとしては成功していないと思う。

これからエナドリの会社を作るには

では「エナドリ⇒モンスター・レッドブル」が定着している現在において、新しいエナジードリンクのブランドを立ち上げるなら、どうすればいいのだろうか。

少なくともエナジードリンクの分野はすでに安定しているので、新規参入の余地はない。そのため新しいブランドでは、サントリーのように広告宣伝費にお金をかけない限り商業的な成功は難しい。

そして何よりも忘れてはいけないのはクオリティの高さである。
商品の美味しさが人気に直結する。

したがって、商業的成功よりもブランドの価値、クオリティすなわち「エナジードリンクとしての成功」に重点を置いたものを作るのが良いと思う。


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