華道が現代に生きる意味6 〜日本は「深い」のか〜
〜深い〜
華道を生業として、思考や考え方をお伝えすると、よく言われることがある。
それは、「いや〜今の話は深いですね〜」「それすごい深いですね!」
【深い】。
ほぼ確実に言われる。
はじめはこの言葉に一喜一憂し、言われることに一種の抑揚感を得ていたが、ふと思った。
??ということは今自分がいる世界は浅いということか。
深さを認識する時には自分がいる位置が関係する。
穴を掘っていることを想定すると、穴を掘っている本人は常に掘り続けるから深さに気付かない。
深さを感じるのは、穴を地上から覗き込んでいるから。
つまり、「深さ」を認識するということは今いる状態に深さがない、浅いということになる。
〜なぜ深いのか〜
深くなったのには理由がある。
それは日本が貧しい時代、選択肢が少ない中で今あることに価値を見出そうと、掘り下げ掘り下げ、文化を作ってきたから。つまり、広く浅くではなく、狭く深く。
といっても今の時代を否定するわけではない。
もちろん時代背景が大きく関係していると思っている。
昔:貧しく物がない中であるものに価値を見出す。
今:豊かになりどこにでも行ける時代、幅広く取り入れる。
こういう時代だからそうなるのは普通のこと。
ただ、今は経済的に豊かになったが、その分精神的には貧しくなったのではないかと感じる。
毎日SNSを暇があれば眺め、良いねやフォロワーの数を気にする。
ブランド物に憧れ、お金に目が眩み、皆と一緒にタピオカを飲む。
〜進むべき未来〜
これだけ国間の移動ができない、(↓記事見てもわかる)
実質鎖国状態の中で、改めて日本を見つめ直す良い期間なのではないか。
日本人がいかに今まで海外に目を向け、日本から目をそらしてきたか。
先人たちが掘った深い穴を見ず、空を飛ぶ鳥や地上になる美味しそうな果実ばかり見てきたか。
今一度、日本が掘った【深い穴】を覗いてみても良いのではないか。
省略の美学。深いから世界から評価される。
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