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僕の街から吉野家が無くなったのでDiscord町内会を作った その3

前回までのあらすじ

町のランドマーク的な機能すら持っていた、巨大飲食チェーン「吉野家」の撤退をきっかけに、楽器屋・呉服屋・金券ショップの店主達が集まった。
趣味でまちのお店の冊子を作るCHI&MEの竹本さんと一緒に、豊橋市南栄町の飲食店をまとめた冊子を作ることに。趣味の人への熱量を冷めさせないよう一緒に楽しみながら制作するのと、同時に「協議会」の設立も目指します。
>>詳細はその1から

市役所に相談に行ったら、想像外の「レアケース」と判明

豊橋市には「まちなか活性課」という課がある。国土交通省が掲げるコンパクトシティ政策の一貫なのだろうか、豊橋駅周辺の活性化を進める為の部署だ。この人達に話を聞いてみよう。豊橋駅と南栄駅は電車で約7分という距離にあるが、まちなか活性課の管轄外地域である。しかし、電車の駅や学校が多い地域なため、行政にとって重要な地域だろうという予測をした。調べると南栄駅周辺は「歩いて暮らせるまち区域」という場所になっていた。

以下、豊橋市立地適正化計画(計画書)(令和6年6月20日改訂)P.36からの引用地図

南栄駅周辺の歩いて暮らせるまち区域

役所というのは、新しいことをはじめるには時間がかかるが、すでに仕組みになっている事は話が早いという印象がある。
歩いて暮らせるまち区域の話として役所に持って行いこうと思い、まちなか活性課と同じ都市計画部の所管「都市計画課」という部署に相談することに。担当者と話をした所、最近は「商店街の解体」みたいな話が多く、新しいく協議会を作るみたいな話が無いので、他の地方の前例などを調べて勉強するのでお待ち下さい。という流れに。予想とは裏腹にレアケースになってしまった。役所に仕組みが無いならば、自分たちで動いて形にするしか無い。まずは、都市計画課に挨拶し、連絡先を交換しただけで良しとし、その後の報告をすることで関係性を保っている。

まちなか地域には、駅デザ・豊橋駅前大通地区まちなみデザイン会議という団体があり、この規約や組織構成を雛形にして、協議会の基本形を作ることにした。暗渠の上にビルが建っている通称「水上ビル」復興の立役者である建築士で商店街の会長でもある黒野さんを協議会結成前のイベント「南栄を食べつくす」に呼んでいた。2016年のあいちトリエンナーレの時に黒野さんが南栄の地域が気になっていると話していたことを覚えていたからだ。

まちなみデザイン会議だけでなく、豊橋まちなか会議とか、豊橋まちなか未来会議とか、まちなか以外の人は知らないような会議があるようで、黒野さんは、そういう場所にいる人だ。後に南栄町協議会では監査役員として入ってもらうことになる。最近では、テレビで水上ビルと一緒に黒野さんも紹介されることもあり、南栄のお年寄りにも「水上ビルの黒野さんもメンバーに入っています」と言うとちゃんと話を聞いてくれる。

このような実際にやっている人を探して、雛形をわたしてもらいチューニングして規約を作り、2024年1月には南栄町協議会が発足することなった。

複数のミッションが同時に進む連絡システムとしてDiscordを採用

この投稿のタイトルにもある、Discordを使って南栄町協議会を運用している。
それ以外に本職である楽器店のコミュニティサーバー運営。そして、東三河高校生軽音部のサーバー運営もしている。

ドラムコミュニティーでは、時々シンバル作るツアーも行っている。
プロ・アマ関係なく、気軽に交流できて楽しい。
「スーパー登山部」と東三河高校生軽音部。軽音サーバーは
120人以上の部員と交流している

コミュニティ運営のコツもある程度把握しているので、コミュニティ運営に関する相談を受けるような仕事も増えている。
Discordは、今更説明をする必要も無いというくらい使っている人と、「なにそれ?」という人の差は、なかなか埋まらないが。後に生成AIと組み合わせる事で、情報の差を埋めている。

Discordは
サーバー>カテゴリ>チャンネル
という階層構造になっており、「ロール」という役割で、どのチャンネルへの書き込みや閲覧が出来るか設定可能。
テキストチャンネルとは別にボイスチャットのチャンネルや、Clubhouseのステージのような配信も可能。基本機能は無料の為、Slackの無料枠縮小からDiscordに流れた人も多い。

南栄町協議会のサーバーの中に「進行中のプロジェクト」というカテゴリがあり、その中に
・南栄MAP作成
・協議会設立
・南栄町物語デジタル書籍化
・人流調査AI
など、ミッションごとにチャンネルを作成してある。
さらに単純なテキストチャット以外にも、フォーラムとしてチャンネルの中身を細分化することで、進行状況がわかりやすくなる。
自分が貢献したいプロジェクトのロールを自分で付与することで、プロジェクトに関わる人全員への通知をするメッセージも可能。
役員以外の一般の方もサポーターという形で受け入れるようになっている。近隣の大学の協力を得ることができたので、学校のチャンネルもある。例えば、協議会設立はすでに完了したので、現在は「完了したミッション」のカテゴリーに収められている。今進行している事がひと目で誰にでもわかるように管理できる。

さらに、別のカテゴリとして、ゴミを捨てる日、防災情報、飲食店の営業時間のスプレッドシート、協議会で起こったことをタイムラインにしているスプレッドシートなどの資料のカテゴリがある。南栄町協議会のGoogleアカウントで、GoogleDriveのスプレッドシートを作って共有されており全員に公開されている。このあたりは、単純にまちに住む人にとっての便利な機能になる。

このシステムの影響を受けて、豊橋市内では「とよにわ」が作る「共創まちづくりプラットフォーム」さらに、協議会のオブザーバー山本真梨子が所属する中野区観光協会でも採用されるなど、さまざまなコミュニティに採用されている。

重要な点は、Discordのようなツールが苦手な人への配慮だ。スプレッドシートの内容をデータベース化していることで、ChatGPTにタイムラインを渡して、活動報告書の下書きを生成することもできる。
これによって、デジタル機器を使わない高齢者や子供に向けての報告書も少ない労力で出力できるようになった。いわゆるデジタル活用として、手軽で多くの人に有効に使える手段だと思う。

以下、南栄町協議会のWEBページ

こちらにはサポーター募集のページもあるので、サポートしたい!興味がある!という方はぜひ手伝いに来て欲しい。そして、雑談チャットにリアクションを付けてくれるだけで、役員はやる気になります。

さて来週は、ドラムの話を書きますね!

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