絵をかくのが好きじゃない絵描き
絵を描き続けてもうすぐ10年
「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるように、大体の絵描きは絵を描くことが好きだと思う
私は違うということにようやく最近気が付いてきた
もともと図工や美術の成績は良かった
当然絵を褒められることがよくあったし、嬉しくはあった
初音ミクの絵を見てCGに興味を持ち、マウスじゃうまく描けないのでペンタブをねだって小さい板タブを買ってもらった
あれからずーっと続いている趣味がデジタルお絵描き
最初はソフトを触るだけで楽しかったのですが、上手な絵が描けない
人体の筋肉とかもっとリアルにかっこよく描きたいのに分からなかった
…ので初めて買った教本は筋肉や骨が詳しく載っている本を買って勉強しました
そこから思いついた構図が自由に描けるよう上達したいという向上心が沸き上がりました
そこからだんだん上達しなければと絵を描き続けました
たいして好きでもないけど描けないと下手だと思われると思って背景やパースにも挑戦したり、学校の勉強を疎かにしてまでイラストコンテストに応募したり、少しでも絵を描かなくなると手が訛ってうまく描けなくなるので絵を描き続けました
漫画を描く練習がしたくてpixivのユーザー企画に参加して他人の作品を見たり、高校生でプロデビューとかいうインタビュー記事に対抗心を燃やしてイラストの仕事を募集したり営業したり…
なかなか結果に結びつくこともなく、とにかく強すぎるほどの向上心と当時は気が付いていない大きな嫉妬心と劣等感で絵を描いていました
フォロワーや同人誌の売り上げが伸びないのがなんとなく悔しくて、絵がうまい人の絵をとにかく見ては描き方を取り入れたり、何百年も称賛されている宗教画のような絵を描かねばいけないとあまり興味のない絵画の真似事をしたこともありました
色々とこじれまくってエロスというテーマで絵を描いたときは「合わせ鏡ってエロいな」って今はもうわからないアンサーが出てしまった時がピークだった気がします
ただひたすらに絵柄の研究をしたり塗り方の試行錯誤をしていた時期もありました
その時間でクロッキーや人体の勉強をすればいいのにとにかく自分の絵柄がしっくりこない
なんだか脱皮しかけているのに全然皮がむけないスランプの感触
そんな苦しい時期が2年ほど続きました
でも当時は別に好きで描いているし、好きなもの描いてるし、絵を描き続けないと死ぬと本気で思っていました
ずっとプログラマーになるための勉強をしていたのに、ある日突然「精神病んでても絵は描けるからデザイナーのほうが向いているかもしれない」と急に進路変更をしました
でも絵は趣味でと決めていたんで一歩引いて作れそうな3Dアーティストになろうと思い、専門学校に入学しました
一生やらないと思っていたデッサンをやったり、興味もないロゴとかのデザインを課題で作ったり、なんかいろいろと描きました
薄々感づいてはいたんですが、絵を描いてても全く楽しくねえ
私は絵を描くのが好きなんじゃなくて絵が好きなだけの絵描きだと気が付きました
むしろ絵を描くなんて時間のかかるめんどくせえ作業嫌いですよ!
(でも自分の絵柄や選ぶモチーフは好きなんです)
他人の絵を血眼になってみていた頃から時間も経ち、鑑賞する楽しさも思い出してきました
見てもらえる絵って拙くても絵描きさんのこだわりや「こう描きたい」というのが良く出ているんです
女の子のえっちなイラストが描きたい・自分が思う最強のイケメンでBLを描きたい・自分が読みたいと思う物語と絵で漫画を描きたいetc…
私がずっとあこがれていた作者のフェチが詰まった絵というものが見えてきました
…というわけで自分が目指したいと思う絵をちょっと描いてみました
私はすごく綺麗な絵だと思います(ちょっとゴツいかな)
好きです 描き続けます
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