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鴨川から60号ビシのイサキ・タイ五目釣りで大物がきた!/八平丸

※掲載終了の「@niftyつり」から2011年5月18日の「ゆるゆる釣り部」釣行記を一部修正して移植しました。イサキはボウズということはまずないし、外道もいろいろ釣れてくれるので、個人的に好きなターゲット。ライトアジなどに比べれば、タナとりとかちょっと難しいですけど、楽しいのでぜひ。といいつつ、このイサキ釣りはちょっと特殊ですね。

外房のイサキ釣りに初挑戦だ!と思ったらちょっと違った

これからの季節が旬で、今までに私が釣ったことのない魚。それはね、イ・サ・キ(人差し指を立てながら)。はい、気持ちの悪いはじまり方でごめんなさいね。※なんだこれ

イサキ釣りというと外房ではメジャーな魚なのだろうけれど、これまで東京湾の釣りが多かったので、狙ったことがなかったんだよね。ほら、「上から棚を取る」っていうのが、なんとなく難易度高いイメージだし。

いつか機会があればと思っていたイサキ。明日は天気もいいみだいだし、いっちょ狙ってみようかということで、前日決定で鴨川市の江見太夫崎から出ている八平丸に乗船することにした。

江見太夫崎の八平丸、「えみたふさきのへいはちまる」と読んでいたが、正しくは「えみたゆうざきのはちべいまる」と読むらしい。「へいはちまる」だと八と平の漢字が逆か。たぶん魁!!男塾の江田島平八と頭の中で混ざったな。

で、昨日の夕方にイサキ狙いの船宿だと思って電話予約しつつ仕掛けを聞いてみたら、ここのハリスは4号が推奨で驚いたのだ。太い。さすが太夫崎。さらに1メートルのクッションゴムを持ってくるようにとのアドバイス。なんと今日(釣行前日)は6キロのマダイが上がったらしい。

どうも普通のイサキ狙いという感じではない様子。よくよく聞いてみたら、今の時期ならイサキも混ざって釣れるけれど、基本路線はなにを狙うということはない、釣れている魚をいろいろ狙う五目釣りなのだそうだ。おお、ゆるい。

なるほど、私としてはいろいろな種類が釣れる釣りの方が食べる面でも好みなので、逆にそのほうが楽しそうだ。

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急に決めた釣りだったので、クッションゴムの用意がない。手持ちは劣化した50センチのもの。どうしようかと思っていたら、港へ行く途中に鴨川市内でヤックスドラッグストアに併設されたアタック5という24時間営業のお店を無事発見。

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ハリス4号ということで、1.5ミリにしてみました。これで6キロのタイが釣れても大丈夫!目がトロンとしているのは、現地集合の時間が朝5時だから。さすが外房。

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大きくて新しい八平丸。特にうっかりはしていないようだ。

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同行いただいたのはおなじみ岡田カメラマン。八平丸だけにうっかり寝不足のため朝から怪しげな栄養ドリンクでタウリンを補充。栄養ドリンクはタウリンの量と値段の比率で決める男。

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栄養ドリンクもらった。

ところで皆さんが気になっている「八平丸(はちべいまる)」というウッカリしがちな屋号、これは昭和20年代から続く伝統の名称なので、水戸黄門とはまったく関係ないそうだ。

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「私が八平丸船長、鈴木篤幸である!」とはいわない(男塾を引きずっています)。

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「私がおかみさんである!」ともいわない。

道具と釣り方について

ここでの釣り方は60号のビシを使ったコマセ釣り。このビシの重さは東京湾のビシアジとライトアジの中間くらいで、私はちょうどやったことがない重さである。どんな竿やリールが向いているのかよくわからなかったのでいろいろと道具を持ってきてみたいのだが、船長から「竿は長い方がいい」というアドバイスをいただき、3.3メートルのマダイ用と書かれているけれどヒラメしか釣ったことのない竿をセレクト。

リールは手巻きでも電動でも大丈夫ということだが、ここは(この船の上では)フレッシュな若者らしく手巻きで頑張ろうかなとも思ったけれど、乗船している人達は全員が電動リールなのよね。手巻きでのインプレッションは岡田カメラマンに任せるとして、私はレオブリッツ400という今時のガンダムみたいなビジュアルの電動リールでいってみることにした。

仕掛けはイサキをメインに狙うのならハリス2号三本針とかのほうがいいかもしれないが、とりあえずは船長オススメの船宿仕掛け(ハリス4号!)ではじめてみることにする。

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いろいろ持ってきたけれど、短いビシアジ用の竿よりも、長めの竿がいいらしいです。

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某修行僧にもらった3.3メートルのマダイ用50号負荷の竿。ヒラメ釣りでしか使ったことがないけれど、なるほどこういう釣りで使う竿だったのか。

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天秤と60号ビシはレンタルあり。船宿仕掛けはハリス4号4メートルの二本針で、針がグレ10号。ここの五目釣りで釣れる最大側に合わせた頑丈さ。ハリスにあったクッションゴムの持参推奨。

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ハリスが長ーい!

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コマセはオキアミとアミエビのミックス。プラビシの下側はギリギリオキアミが出るくらい、上の穴(親指、人差し指のところ)は半分くらい開ける。

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付け餌はオキアミで別料金。目のついた形のいいやつを選ぶのがポイントだそうです。

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付け方は尾羽を取ってチョイっと。

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気分次第で二匹つけてみたりして。大物釣りたいなー。

釣り方は船長が指示する棚までビシを沈め、コマセを二回、三回と大きく振り、あとはあまり動かさずにじっと待ち、たまにコマセを振るというもの。

棚が上からというのが初めての経験だったけれど、電動リールは液晶パネルにどれだけ糸が出たのか表示されるので(正しく表示されるかは別問題だけど)、よそ見をしながらでもまったく問題なし。しばらく待ってアタリがなければ、コマセを詰め替えて再投入。

手巻きのリールだと棚取りがPEラインの色(10メートルごとに変わる)と1メートルごとのメモリを数えながらになるので、ちょっと難易度が上がるかな。とはいえ、水深は20~40メートル程度なので、ある程度沖釣りをやる人ならば大丈夫。

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電動リールを使うの久しぶりだ。ラインはPE4号だったかな。

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こちらは岡田さんのタックル。自分と相性がいいという「近海SHOT-X」という1.8メートルの竿と中型リールの組み合わせ。

いきなり訪れた大型の魚信

埼玉の自宅から鴨川までいくのは若干遠いが、釣り場は港から10分ほどととっても近い。風も波も穏やかな絶好の釣り日和。平日サイコー(ごめんなさいね)。

今回は五目釣りということなので、目標は数や大きさではなくて、魚を五種類釣ることにしましょうか。というのはもちろんウソだ。昨日6キロのマダイが上がったといわれて大物を期待しない人がいれば、それは釣りをしない人種である。

前半はイサキなどを順調に釣りつつ、後半に大きなタイをドーン!そしてさらに大きなタイをドーン!ドンドンドーン!(安田大サーカス風に) タイやイサキの舞い踊りってやつですか。

そんなドラマチックな野望を抱いての第一投。船長の指示棚は38メートルに合わせてピタッと止めたつもりが10センチずれて38.1メートル。まあそんなのは誤差の範囲ということで、コマセを控えめに二回ほど振って相手方の様子をうかがってみる。

やったことのない釣りの第一投目というのは、初めて訪れる土地の駅改札を出る瞬間くらいのトキメキがあるね。よく「チャージキンガクガタリマセン」っていわれる瞬間なんだけどさ。

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メーターって便利ね。あとで底まで落としてみたら、45メートル程でした。

ところでこのマダイ竿、2006年に友人からヒラメ釣りに誘われて、「竿がないからいかない!」といったら「竿ならあげる!」といわれてもらったマダイ竿(ヒラメ用ではない)。その時点でかなり年季が入っていたのだが、無事に二匹のヒラメが釣れたのだった。「釣った」のではなく、「釣れた」というのがポイント。詳細はこちら(私の個人サイト)

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さっそく経年劣化で竿尻がとれた。

それ以来一度も出番のなかった竿なのだが、今日こそは竿本来の使命であるマダイを釣ってくれるはずだと信じての一投目に奇跡が起きた。

エサがコマセとなじんだくらいのタイミングで、小さいアタリをさっそくキャッチ。だがアタリだけでなく引きも弱い。これを上げてもつまらないので、針は二つあるのだからとしばらく追い食いを待ってみることにしたのである。

するとグググーっという竿が海の底へと引きずり込まれるような強い引きが訪れた。そして竿先が水面へと突き刺さる。なんだなんだ。釣りを開始したばっかりなので、頭がぜんぜん働いてくれない。とりあえず竿先を持ち上げて電動リールのスイッチをオン。それでもズリズリと出ていく糸。しまった、まだドラグの調整をしてないや。

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いきなり来ました。

クリクリとドラグを締めると、今度は中速で巻いていたはずの電動リールが力負けして巻き取りを諦めがちとなる。なんだこれ、いきなりのボスキャラ登場か。慎重に速度調節レバーを倒しつつ、手巻きでそっとサポート。

この竿とリールの組み合わせが初めてなので、どの程度の巻きとり速度とドラグ設定が妥当なのがか探り探り。できればもう少し難易度の低い相手で調整をすませておきたかった。というか、普通は一投目を入れる前にきっちりセッティングするべきか。あぁ、こういう反省、何回目だろう。

とりあえずハリスが4号でよかった。気分的にはせっかくだからもっとハラハラしたいのだけれど、いかんせんまだ頭が回転していないのがもったいないね。

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「逆光だから」と、ポジションを変えた岡田カメラマン。

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どうにか天秤まで巻き上げたが、ここからはハリスが長いので竿の弾力もクッションゴムも使えない。サメのような気がするぜ。

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上がってきたのは、お約束のアカエイ!じゃなくて、座布団サイズのカレイだ!

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いやカレイじゃない。頭が左だからヒラメか!

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慎重にタモ入れ……失敗!跳ねるな!コラ!

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今のでばれたかと思ったけれど、ハリスが太いので切れなかった。

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もう一度慎重に寄せて……

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網のサイズがギリギリだよー。汗。

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はい、入ったー!

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じゃーん。かっこいー!

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メジャーの長さが足りなーい!65センチくらい?

はい、一投目にまさかのクライマックス。どうやら最初に釣れた小魚にこのヒラメがうっかり(八平丸だけに)食いついてくれたみたい。あー、びっくりした。

やっぱりこの竿、マダイ用じゃなくてヒラメ用なんじゃないですかね。

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一度神経絞めというものをやってみたかったのだ。

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クーラーボックスに入らないぞ。

ここはアジのポイントらしい

イサキやタイを狙った五目釣りだったのだが、いきなり一投目で立派なヒラメが釣れてしまい、本日の運勢残りゼロ。どちらかというとすでにマイナス。もうなにも釣れる気がしないので、気分的にはこのまま陸に上がって温泉でも入りたいところである。

しばらく海を見ながらボーっとしてしまったのだが、岡田さんの呼ぶ声で現実に戻った。

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「あんまり釣りの記事に出ていると、俺が暇な人と思われないかな?」と心配していた岡田さんにヒット。

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手巻きで上がってきたのは立派なアジ!川越シェフのスマイルを超える岡田スマイル。もはやスマイル岡田と芸名を変えるべきだ。

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堂々の33センチ!

岡田さんが立派なアジを釣ったのを見て、すっかり消えていた狩猟本能が再び点火。いくら立派なヒラメを釣ったとはいえ、まだ釣れるのならばもっと釣りたい。そういえば友人に、「今度釣りに行ったら干物を送るよ」と約束していたんだった。しかも何人にも。

ということで釣りを再開。するとすぐに食べごろサイズのアジがポツポツと上がってきた。いや、もちろん岡田先生クラスとまではいきませんが。

そういえば電動リールの使い方だが、常連さん達は魚が掛かった時だけ手巻きにして、魚の引きを楽しんでいた様子。確かに電動リールだからって自動で巻かなければいけないという訳ではないので、このやり方は正しいかも。私もちょっと手で巻いてみたけれど、電動リールって普通のリールとしての機能もしっかりしているから、60号のオモリなら全然問題ないみたい。

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尺アジ!

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飲みこまれていなければ、針金を曲げた針外しが便利。

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干物サイズのダブル!

また大物が釣れた魚に食い付いた

順調にアジを釣ったところで、今度はとても小さいアタリがきた。もしかしたら最初にヒラメを釣ったみたいな展開があるかなとちょっと待ってみたのだが、さすがにそううまくはいかない。

大物は諦めてそろそろ巻き上げますかと電動リールのレバーを倒した途端、竿先がグイーンと沈み込む。うわ、また来た!

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恐るべし外房。五目釣りというか、泳がせ釣りになっているな。

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上がってきたのは、なんだこれ。

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マトウダイ!

見た目が怪しいけれど、食べるとおいしいマトウダイをゲット。さすがに「二匹目のヒラメ」とはいかなかったか。これでも十分うれしいけれどね。

そして次に釣れたのは、ぐっと小さくなってイワシのダブル。釣れたというか、コマセを入れようと上げてみたらついていたのだけれど。マトウダイもこれで釣れたのかな。

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イワシか……そうだ!

釣れたイワシを針から外そうとした時にピンときた。ヒラメ、マトウダイと、釣れた魚に食いついてきたのだから、これをそのまま沈めておけば、またなにか大物が掛かるかも。

そのまま仕掛けをそっと沈め、船長の指示棚よりもちょっと深めで待つこと数分、目論見通りの大きなアタリが来たんですよ。ちょっと待ってからさらにアタリが大きくなったところで大きくあわせる。最初のヒラメほどではないけれど、さっきのマトウダイよりは大きい感じ。

うーん、予定通りに事が運びすぎていてなんだか怖い。よし、事故ると困るから帰りの運転は岡田さんにお願いしよう。

いやらしいほどにニヤニヤしながらリールを巻く。またヒラメかな。あるいは大型のホウボウとか。でも今度こそサメのような。

仕掛けを絡ませながら上がってきたのは、良型チカメキントキのダブルという変化球!

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おお、予想外!

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ご立派!

どうやら船はチカメキントキの群れの上にいるらしく、あちらこちらでチカメキントキが上がりだした。私は活きエサだったけれど、他の人はオキアミのままでポンポンポン。

ということは、別にイワシをエサにした私の手柄という訳ではなかったようだけれど、他の人よりも大型を釣ったような気がするので、やっぱり活きエサパワーということにしておこう。

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すぐに岡田さんもチカメキントキをゲット。白身でおいしい魚ですよ。

ようやく本命のイサキが登場します

これだけ多くの物語があったにもかかわらず、時計はまだ八時を回ったところ。ここで船長は大きくポイントを変更し、20メートル前後の浅い棚を指示してきた。どうやら狙いを変えたようである。

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20メートルで電動リールを使うのってなんだか申し訳ないけれど、コマセの詰め替えとかがやっぱり楽なんだよね。手巻きでも全然大丈夫なんだろうけど。

どうやらこの場所はイサキ狙いのポイントらしく、この船で今まで一匹も釣れていなかったイサキがポツポツと釣れ出した。そこに1キロ前後のタイが混ざってくるのだ。

そういえば活きエサ釣りに浮かれてすっかり忘れていたけれど、今日はイサキやタイが本命の五目釣りだったんだ。ここで6キロオーバーのマダイを釣ったら、その勢いでこの前3000円分買ってみた toto BIG が当たるかもしれない。6キロオーバーからの6億円!

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お隣さんがダブルでイサキ!

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こちらは初孫のように抱かれた良型のイサキ。

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なぜか私はウマヅラですが。

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岡田さんはアジ。

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1キロほどのタイだが、「こんなのじゃ満足しないよ」という表情の常連さん。

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ようやくイサキが釣れたー!ちなみに麦わら帽子をかぶっているのは、「これがほんとの麦わらイサキ!」と言いたかったから。言えて満足。

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岡田カメラマンもイサキをゲット。この写真だと岡田さんが190センチくらいあるように見えるな。電動リール購入をすすめたら、「これ以上電気を使うものは増やしたくない!」とうまく切り返された。

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イサキの棘はけっこう鋭いので、クーラーに移すときなどは網があるといいみたい。

さすがにタイはダメだったか。よって toto BIG も当然ハズレだ。

浅場に移ってからの後半戦(といっても午前中だけどね)はさすがに釣れるペースが落ちたものの、ヒラメ、アジ、イサキ、チカメキントキ、マトウダイという、まとまりのない五目達成でクーラーボックスはいっぱいだ。あ、ウマヅラもキープしたから六目か。でもできれば、記事的に大物は最初の一投目よりも最後の最後に釣れてほしいかな。この一日を逆回転で体験したいぞ。

船長の話だと、これからの季節はシマアジ、カンパチ、カイワリなどのおいしい高級青魚が混ざってくるようになり、旬のイサキもますますおいしくなるそうだ。外房の五目釣り、堪能させていただきました。

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釣れてくれという祈りからの…

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眠り!

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どうしよう、本当にヒラメがはいらないぞ。

おいしくいただきました

五目釣りから持ち帰った魚を具にして、贅沢な焼きそばを作った。

これが本当の五目焼きそば!

というのは嘘で、刺身などでおいしくいただきましたとさ。※今だったらやっていそうだ。

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良型のイサキとチカメキントキは皮を炙って刺身にしてみた。醤油よりもポン酢が合う。皮が硬いのでもうちょっとしっかり炙ってもいいかな。

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マトウダイは洋風にソテー。上に乗っているのは肝。

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ヒラメは残念ながら卵に栄養を取られて脂がなかったのでフライに。旬の冬にまたヒラメを釣りたいな。

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こちらは岡田さんから送られてきた写真。イサキの塩焼きかな。皮がうまいってよ。

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ユッケ、ではなくて、ナメロウ。千葉っぽくて素敵。

■八平丸

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