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千葉県館山市から旬のイサキ釣り/洲崎 佐衛美丸
※掲載終了の「@niftyつり」から2013年6月5日の「ゆるゆる釣り部」釣行記を一部修正して移植しました。イサキ釣りって楽しいですよね。またやりたいな。
旬のおいしいイサキを求めて館山へ
五月末に梅雨入りをした関東地方で釣れ盛っているのが、この時期に旬を迎えるイサキである。今までイサキ釣りはこの連載でも何度か挑戦しているが、好調な時期に訪れさえすれば誰でもちゃんと釣れてくれるという、私のような永遠の釣り初心者にもやさしい魚なので、その日の夕飯のおかずに困ったことは一度もない。そしてイサキは何度食べてもおいしい。イサキ大好き!
そんな素敵なイサキを釣りにやってきたのは、千葉県の南端に位置する館山市の洲崎。船宿は新造船が美しい佐衛美丸さん。今シーズンは小型が多いながらもトップは50匹オーバーの日も少なくないようで、期待とクーラーボックスは大きめだ。
この時期は4時半集合の5時出船という超朝方スケジュールなので、いつもだったらそろそろ寝るという時間に家をでることになるのだが、多少の時差ボケを覚悟してでも釣るべき魚、それが梅雨のおいしいイサキなのである。たぶん。
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イサキ釣りの仕掛けと釣り方
館山でのイサキの釣り方は、60号のプラビシを使ったコマセ釣り。天秤にプラビシをぶら下げて、1.5ミリ30センチ程度のクッションゴムを繋ぎ、その先にイサキ仕掛けをつける。ここの船宿仕掛けは、ハリス1.5号の3本針。1.5号といえば一般的なアジ釣り仕掛けよりも細いくらいなので、クッションゴムは必須となる。
竿は2メートル前後で60号のプラビシが無理なく扱えるもの、リールはPE3号前後を巻いた両軸リール。水深が浅いので電動でも手巻きでも問題ないが、海面からタナをとる釣りなので、糸を何メートル出したのかがわかるカウンターが付いていた方が圧倒的に楽ちん。
天秤、プラビシ、クッションゴムの3点セットは船宿で借りられるので、竿とリールだけあれば大丈夫。いや竿とリールもレンタルがあるので、手ぶらでいっても大丈夫だ。
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イサキの釣り方は、上側を1/3だけ開けたプラビシにコマセを詰めて、船長の指示するタナ+3メートルまでプラビシを沈め、一呼吸置いて仕掛けが潮になじんだところで、コマセを出しながら指示ダナまで巻き、そこで5秒に1回くらい少しずつコマセを出しながら待つというもの。
ここの船長の流儀では、あまり仕掛けを上下させず、指示ダナでじっくりと待つのがポイントらしい。
アタリがあっても強く合わせる必要はないので、そのまま、あるいは竿先を少し上げながら追い食いを待ち、手巻きならグリグリと、電動ならウィーンとリールを巻く。
取り込みは仕掛けが竿より長いので、水面までプラビシを巻き上げたら竿を立ててプラビシを掴み、コマセのザルに置いて、ハリスを手で手繰って抜きあげる。大型の場合はタモリ(タモでリズミカルにすくうの略)。
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強風の中、釣り開始
イサキという魚は、カンカン照りの日よりも、曇りや雨の日のほうが釣れるそうで、その点では曇天模様の空の下のこの日はバッチリ。ただ、風と波が予想以上に強烈で、髪は自然とオールバックに。この天候が吉と出るか凶と出るか。
とりあえずは風にあおられて、あっという間に投入前から仕掛けを絡ませたので、しっかり凶と出ている感じ。いやはや。
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館山沖でのイサキ釣りは、家から港はちょっと遠いけれど、港からポイントまではほんの5分程度の場所なのがうれしい。絡まった仕掛けをほどいている間にポイント到着。
船長からの指示ダナは25メートルということなので、プラス3メートルの28メートルまで道糸を出し、竿を軽く振ってコマセを出しながら、指示ダナまでリールを巻く。このくらいの深さなら、手巻きリールでもまったく問題なし。それにしても、釣りって何度やっても、最初の一投目の緊張感がいいよね。
手際のいいミヨシの名人は、私がタナを合わせている頃には、さっそく良型のイサキをゲット。海上は荒れ模様だが、どうやら魚の食いは悪くないようだ。
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船長からの指示ダナで少しずつコマセを出しながらアタリを待っていると、竿先にクンクンというはっきりとしたアタリがあった。一投目から幸先良し。せっかくなので3点掛けを決めてやろうと、ゆっくりリールを1回転させて待っていると、竿先がグッと強く引っ張られた。
明らかに最初のアタリとは魚の大きさが違う。これはやばい。
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この強烈な引きは、前回のマダイ釣りで3.88キロを仕留めた時と同等ではなかろうか。リールから糸がジージーと引っ張り出され、下へ下へと潜っていく。明らかにイサキレベルではない大きさだ。
この仕掛けはマダイ釣りではなくイサキ釣り用なので、ハリスは1.5号と細い。クッションゴムを使っているとはいえ、ちょっとでも無理をしたら一発で切られる細さだ。あー、この屋台のヨーヨー釣りみたいな緊張感がたまらない。
こりゃ大型のタイか、あるいは小さなイサキに食いついたマハタあたりか。なんて妄想を繰り広げながら引っ張り合うこと1分強、そろそろ相手も疲れてきただろうとやや強引に巻いたところで、緊張の糸とハリスはプチンと切れてサヨウナラ。絶望よ、コンニチハ。
きらーれたー(こなーゆきーのリズムで)。
逃がした魚は大きいというが、今のは絶対に大きかった。高級魚のシマアジとかだったらどうしよう。もっとドラグを緩めてゆっくりと対応すればよかった。今の感じだと、10回に1回くらいしか取り込みに成功しなそうだけれど、その1回を決められるかが腕の差なんだろうな。
あー、もったいない。
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外道連発からのイサキゲット!
一投目、いきなり来てしまった大物にハリスを切られて意気消沈したのもつかの間、二投目にさっきほどではないけれど、また強烈なアタリ到来。そしてこれまたハリス切れでサヨウナラ。
どうも私はイサキ釣りではない、なにか別の大物狙いの船に乗ってしまったのだろうか。周りの人は順調にイサキを釣っているんだけど。
三投目もまた大物。さらに一回り小さくなったようだが、それでも気を抜いたらまたハリスを切られるようなギリギリの攻防の末、三度目の正直で上がってきたのは、良型のメジナでございました。
ということは、さっきの二発はイシダイだったのかなー。いや、やっぱりマダイだろうなー。あー、なんにしてももったいないなー。
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いきなりの大物ラッシュ(メジナしか上げられなかったけれど)に、この日の波のような感情の乱高下を存分に楽しんで一息ついたところで、ようやく本命のイサキをゲット。うん、うまそう。
とりあえずこれで本日の第一目標を達成。次はイサキ釣りの醍醐味である多点掛けを狙ってみようかな。
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イサキ釣りの醍醐味、多点掛けに挑戦!
ポツポツとイサキやらメジナやらウマヅラやらを釣ったところで、このあたりで欲張って多点掛けを狙ってみたいところ。
イサキの多点掛けを狙う方法は人によって様々だが、私の場合はアタリがあったらゆっくりとリールを一回転させてエサが逃げるのを演出して、やる気のあるイサキを浮き上がらせて食わせるタイプ。それでアタリがなければ、今度は竿先をゆっくりと下げて、エサを送り込んでみる。
C-C-Bでいうところの、「追えば逃げて、逃げれば追う」みたいな感じだろうか。古いですね。
そんな感じで最初のアタリに引き続いて、うまいこと追加のアタリらしきものをキャッチ。丁寧に巻き上げれば、見事多点掛けの成功!
スズメダイのダブルである。
ちがーう。
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そんな細かいボケは置いておいて、船長曰く、この日は潮と風の向きが反対で狙いたいポイントをうまく流せないという最悪の状況だったそうだが、それでもポツポツとアタリは続き、何度もダブルやトリプルを華麗に決めることに成功。
ダブルとかトリプルを決めるなんて、フィギアスケートの選手になったみたいで気分がいい。トリプルアクセル!
潮と逆の強風というバットなコンディションでもこれだけ楽しめるのだから、この時期のイサキ釣りにハズレの日は少なそうだ。
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大物を狙っても楽しいかもしれない
イサキを狙うには船宿仕掛けのハリス1.5号がいいのだけれど、この日は冒頭の私のように、大物が掛かってハリスをブチンブチンと切られることが結構多発。
そこでイサキの釣れる数は減るだろうけれど、3号くらいの太目の仕掛けも用意していって、不意の大物にも備えるというのも、方法論としてアリかもしれない。大型のマダイが釣れることが結構あるらしいよ。
不意の大物といえば、岡田さんの釣った小型のイサキが、何者かによって齧られたこともあるので、船が空いているようならは、船長の許可をとって泳がせ釣りをやるのも一興かな。ロマンがあっていいかもよ。
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それとエサについては、船宿が用意してくれるバイオベイトで十分だけれど、自分でオキアミやイカタンを用意するのも楽しそうだ。私はタックルボックスになぜか入っていたメバル釣りに使ったワームを切って使ってみたのだが、バイオベイトよりも大きいからか、ちょっとだけ大型が当たる率が上がった気がする。
まあこれは気のせいの範疇かもしれないけれど、こういう気分転換が楽しかったりするのよね。
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そんな感じで、強風にも負けずに取材をしながらもキープサイズのイサキを28匹ゲット。風さえなければ、もっと数が釣れたかな。数が釣れれば自然と大型が上がってくる数も増えてくるので、次は凪のいい日に再チャレンジしたいところ。
館山はちょっと遠いけれど、朝が早い分12時には港に帰ってくるので、渋滞する前に家に帰れるのが楽ちん(岡田大先生に運転してもらったのですが)。途中で温泉にでも入って、ゆっくりしてから帰るというのもおすすめです。
次はハリスの太さのバリエーションをいくつか用意して、数よりもサイズにこだわった釣りをしたいかな。やっぱり最初に逃がしたあの大物が悔しいのよねー。
館山でのイサキ釣りのシーズンはお盆頃まで。それまでに、すぐにでもまた再チャレンジしたい釣りでございました。
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イサキも外道もおいしいよ!
さてイサキ釣りの楽しみは、当然食べることも含まれる。無事に家に帰るまでが遠足なら、イサキ釣りはおいしくいただくまでがイサキ釣り。
生でも煮ても焼いてもおいしい旬のイサキ、そしてゲストのウマヅラハギとメジナ、たっぷりと堪能させていただきました。
ウマヅラやメジナは血に臭みがあるので、血抜きをしてから持って帰るのがポイントですよ!
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ということで、旬のイサキ釣りをたっぷりと堪能させていただきました。この時期のイサキ釣りはボウズということはまずないので、船釣り初心者にもおすすめの釣りです。
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