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場の「納得感」を醸成し続けるために_ワークショップでファシリテーションしてみた気付き(2/2)


さて、前回の続き。
「転がる雪玉」みたいなグループワークを目指して。

それなりのファシリテーション力を身につけたく、
学生ワークショップに参加してみた気づき。

「納得感」を醸成し続けるための、はたらきかけ


アイディアはどんどん出てくる。
ボードがどんどん付箋で埋まっていく。
でも、なんだか釈然としない。

あれ?これでいいんだっけ?

この時間に求められていることに、達していないんじゃないか?
そのように感じたのは私だけかもしれないが、
ワークが進んでいくにつれ、みんなの発言や手の動きが鈍っていく様子から、
おそらく参加者のみんなも、同じ感覚なのではないか。
たくさん出されたアイディアを練り切った、叩き切った感覚がない。
出して終わっちゃったな。もう少しできることもあったんじゃないのか?

おそらく、「これでいいのだ!進んでるぞ!」という「納得感」を醸成し続けることが、ちゃんとしたアプトプットが出るグループワークの肝なのではないか。
自分は、気軽にアイディアを出せるよう場を和ます迄はそれなりに得意だと
勝手に思っているのだが、この「納得感の醸成」をするための働きかけが、まだまだ弱いのかもしれない。

このテーマについて、夫や知人に話したところ、
ぜひ取り組んでみたい「はたらきかけ」をいくつか発見することができたので、
次回の実践用にメモっておく。


最初に「求められていること」の共通認識をとる



さて、今回のWSで扱う内容に正解はない。
でも、どういう行動や態度であるべきかについては、
指定がある。

「理性より直感を」
「いつもとは違う考え方を」

といったように。
そしてもちろん、毎回のワークで
「ここまでやってください」というゴールが設定されている。

これ、自分がファシをやって改めて時間したのだが、
参加者の間で理解が一致しておらず、作業を進める中でそのことに気づき、
振り出しに戻ることがある。

つまり、ワークの始めに、
ゴールと求められている行動について、
共通認識を持てているのか確かめる
必要がある。

「今回のワークでは〇〇がゴールで、
△△すると認識してるけど、ズレないですかね?」

認識にズレがある状態だと、
他人の行動が自分の思っている行動と異なる時、
あれ?自分の認識違ってたかな?何をすべきだったんだっけ?
とモヤモヤが生じ、手の動きが鈍る。

ワークの時間は限られている
手の動きが鈍っているままだったり、途中で軌道修正をしているより、
最初から認識の土台を擦り合わせ、スイスイ進められた方が、
時間内により先まで議論を進められるはずだ。


「求められていること」を伝え続ける


ワークは20-30分ほどのごく短い時間だが、
「人間は忘れる生き物」と言う言葉を侮ってはいけない。。。

ファシの自分も参加者も、何をすべきだったのか、
驚くほどあっという間に、忘れてしまう
なので、ファシとしては、うるさいくらいに伝え続けることが必要。。。
非常に単純なことだけど、効果は大きそう。


望ましい行為行動に対し、ポジティブフィードバックをする


今回のワークショップでは、これまでにないような創造性が求められるだけに、内容には正解がない。そして「正解のなさ」は、「どういう振る舞いをしたら良いのかわからない」モヤモヤにつながったり、大胆な意見を出すことを躊躇わせたりする。

でも、例えば今回のワークショップでは、
「理性ではなく直感を」「いつもとは違う考え方を」のように、
求められる行動についてはある程度の正解がある

上記に即した行動があった際には、「そうそうそれそれ!」と、
ポジティブフィードバックをする。
そうすることで、「あ、そうすればいいのね」と行動指針ができる。
もちろん内容についての自由度は保たれたまま。

どういう行動をすべきか考えなくてすむ状態にすれば、
自由度の高い内容についてより思考を費やすことができる

まだ仮説に過ぎないが、これも大いに試す価値がありそう。


議論の範囲に制限(提案)を設ける


ファシとしては、参加者が最大限の自由を与えることが正解だと思っていたのだが、必ずしも正解ではなさそう。。。(直前のポイント↑と被るが)自由度が高すぎると、逆にどうしたら良いかわからず手が止まってしまうのだ。

上記↑の「ポジティブフィードバック」は、
「こう言う行為が望ましいよ」とラインを引く,
つまりある種の制限を設けることで、
行動のとっかかりを作り、動きやすくすることだとも言える。

このようにして、
「今は〇〇の視点で議論してみるのはどう?」
「特にこのアイディアについて、どんなパターンが考えられるか深ぼってみない?」
と、議論の範囲や視点について制限をかけることで、参加者の思考の焦点を定め、
より深い議論と、厚みのある大胆なアイディアが生まれるよう導くことができる
のではないか。

そして、ここでは支持ではなく、
「提案する」と言うスタンスが大事だ。
選択権は参加者に与えること。
メンバーの主体性は奪わないように。

参加者がワークを振り返る機会を設ける


最後に。
次回ファシリテーションをする際には、上記に加えて、毎回のワークの前後で、ワークの進め方やコミュニケーションについてメタな視点で振り返ってもらうのも有効そう。

「これまで議論の方法で気になることはある?これはうまくいってるから続けようとか、これが気になるとか」

そうすることで、より参加者の主体性を刺激していけそうだし、
より一人一人が納得感を持てる場を、みんなでつくっていけそう。


ヒビ、ショウジン。

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