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オーストリア/ウィーンの舞踏会シーズン

今年の舞踏会シーズンも終わりに近づいてきました。前回の記事で予告したとおり、今回はウィーンの冬の醍醐味の一つ、舞踏会(バル)についてのお話です。

舞踏会?なにそれ?シンデレラ?っていう方も多いのでは?実は、あのシンデレラの映画そのままの世界が現代のウィーンでもあるんです!


「花の舞踏会」(Blumenball)@市庁舎(Rathaus)

こんな映画みたいな舞踏会、一般人でも行けるのー?と私も最初思ったんですが、実は、入場料を買えば誰でも会場に入れます。条件は、ドレスコードをクリアしていること。ドレスコードはバルの趣旨によって多少異なりますが、男性の場合燕尾服かスモーキング(タキシード)、女性の場合はくるぶし丈のロングドレスのことが多いです。

また、舞踏会に行くのであれば、やはり単なる冷やかしではなく、一緒に踊れないともったいない!社交ダンスをしっかり練習しておいた方がいいかもしれません。日本で言う一般的な社交ダンスに加え、ウィーンの舞踏会で最も重要なのがウィンナーワルツとポルカ。特にウィンナーワルツは、激しくグルグルと回るのでコツと経験が必要です。日本のダンス教室では教えていないところがほとんどらしいなので難しいですが、これがないと舞踏会で踊る機会はぐっと減ってしまいます。逆に、ポルカは簡単ですし、誰でも楽しめますよ♪

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軍人舞踏会Offiziersball@王宮Hofburg こんな感じで老若男女クルクルとウィンナーワルツを踊っています。

あともう一つ舞踏会に必要なのは。。言わずと知れたダンスパートナー!みなさんパートナーと一緒に来ているので、いきなりドラマのように、会場で「僕と踊ってくれませんか?」なんて声を掛けられることはまずありません(笑)。自分でダンスのできるパートナーを連れて行くのが最大限楽しむポイントです。

ちなみに、ウィーン人は高校生くらいで一通り教養として社交ダンスを習うので、ちゃんと踊れる人が多いです。中にはリズム感覚がなくて、どうしても無理って人も結構いますが。。(笑)

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バルには欠かせないライブバンド。軍人舞踏会@王宮にて。

この時期に何十と開催されるバルですが、職業別労働組合や出身州組合などが主催することが多く、テーマに合った趣向が凝らされています。一つ目の写真の「花の舞踏会」はウィーンガーデニング協会(市の公園の植木や花の整備をする協会)主催のため、会場の市庁舎には花がふんだんに飾られています。2,3枚目の軍人舞踏会は、オーストリア軍人の他に外国からも軍人が招待され、色々なかっこいい軍服が楽しめます。

そのほかにも、法律家舞踏会、狩人舞踏会、大学主催の舞踏会、変わったものではゲイの舞踏会なんていうものもあります。もっとも有名なのは、海外の要人やセレブも多数招待され、国立オペラ座(Staatsoper)で開催されるオペラ座舞踏会でしょう。ウィーン人の多くは、職場がらみや出身地、趣味の集まりなど、自分の属するソサエティーにちなんだバルに行くことが多いようです。

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こちらは一味変わった「チロル舞踏会」(Tirolerball)。チロル地方から民族衣装を着た人たちがやってきて、ウィーンの市庁舎で開催されます。ドレスコードは民族衣装なので、私もディアンデルを着て参戦しました。

舞踏会はウィーンの華やかな伝統であると同時に、あまり知られていない部分もたくさんあります。一回の記事で書ききれないこともたくさんありますので、またの機会に舞踏会の奥の深さをお伝えできればと思います。

(2012年1月執筆)


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