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ザルツブルク方面の列車の発着駅、ウィーン西駅の今むかし

ウィーンからザルツブルクやザルツカンマーグート方面への旅にお勧めの、ウェストバーン鉄道が発着する主要駅、ウィーン西駅の歴史と今日の姿をご紹介します。

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しかし第二次世界大戦で、その美しかった駅舎は破壊され、戦後新たに駅舎が建てられました。その後、2008年から2011年の間に大幅な改修工事が行われ、今の形になりました。

2013年には「オーストリアで最も美しい駅舎」を受賞するなど、改修後の駅舎の評判はよく、発着ホールが明るく近代的になっただけでなく、巨大なショッピングモールが併設され、電車を利用する人たち以外も集まるようになりました。

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以前はウィーンから西へ行く電車の発着駅として、ザルツブルクだけでなくドイツ、スイス、プラハ方面の旅行客がこの駅を利用していました。ところが、近年主要駅機能の見直しが進められ、全ての国際線の発着が中央駅(元南駅)に集約され、現在の西駅はオーストリア国内の長距離列車の発着機能だけが残った形になります。

主要駅としての機能は縮小したとは言え、ザルツブルク、リンツ、そしてオーストリア湖水地方であるザルツカンマーグートなどへの国内路線の列車は多く発着しています。また、乗り換えを利用するとドイツのミュンヘンやチェコのプラハまでもスムーズにたどり着くことができます。

この駅を発着駅とする私鉄ウェストバーン鉄道が、手頃な価格と上質なサービスで人気を博していることもあり、西駅は今でもウィーンの重要な駅の一つです。

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ショッピングモール内にも列車の発着案内板が設置されています。

また、駅舎から直接ショッピングモールにつながり、買い物目的の地元民にとっても、出発前の時間つぶしをしたい旅行者にとっても、格段に便利になりました。日曜日にはほとんどのお店が閉まるウィーンですが、旅行者に必要な駅構内の店は、日曜日も営業しています。

そんな西駅のアクセスと、駅内部の様子をご紹介します。

駅の地下には、地下鉄3番線と6番線が乗り入れていますので、ウィーンの中心地シュテファン大聖堂から10分以内で来ることができます。また、地上階の駅の建物を出たところには、バスやトラムの発着場、空港バスの乗り場などがあります。

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そのホールからエスカレーターを上った2階部分がホーム階とフードコートになっています。パンやオープンサンドからピザ、ケバブ、アジア系焼きそばまで様々な種類のお店があり、その場で座って食べることもできますし、車中で食べるものを買っていくのにもぴったりです。

そんなフードコートの中でも、ウィーンらしいお勧めは、シェシニェフスキ(Tzersniewski)。ウィーン中心地に本店のある美味しいオープンサンド屋さんで、色々な種類のものを一切れずつ指差してオーダーすることができます。

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ホームに向かって右側のこのお店。

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また、この発着ホールでぜひ目に止めてほしいのが、前述の美貌の皇后エリザベート像です。自らの名を関した鉄道が昔は発着していたということで、この場所に彼女の像が建っていましたが、空襲で大きく破壊された後修復され、改修工事中は倉庫に眠っていたりと数奇な運命を辿りました。現在は西行きの列車のホームを厳しい目つきで見守っています。

数年前と様変わりし、駅とショッピングモールの機能を兼ね備えて新装オープンしたウィーン西駅。ザルツブルク方面に出発する旅行者を見送る発着駅として、更に便利になっています。利用される方は少し早めについて、ウィーン最後の買い物を楽しまれてもいいかもしれませんね。

(2016年10月執筆)



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