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オーストリア/大雪のウィーン、王宮周辺の散策と美術館案内

この2、3週間、雪が降り続いているウィーンです。朝から晩まで前が見えないほど大雪が降った後は、腰の辺りまで積もっていて、買い物に行くのも一苦労です。

そんなウィーンをカメラ片手に歩き回ってみました。まだ町の中心部は雪かきも進んでいて、少し歩きやすくなっていましたが、それでもごついスノーシューズを履いて、滑らないよう細心の注意で歩きました。寒い日のウィーン観光は、美術館めぐりが最適かもしれません。今回は雪景色の写真と共に、周辺のミュージアムをご紹介します。

まずは、王宮(ホーフブルク、Hofburg)から。新王宮の前の広場は一面真っ白で、観光客は立ち往生しています。

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新王宮前の広場

ホーフブルクは旧王宮と新王宮に分かれていますが、この新王宮は国際機関のOSCE(欧州安全保障協力機構)のほか、エフェソス博物館、中世武器博物館、古楽器博物館、民俗学博物館と複数の博物館が入っています。どれも小さなミュージアムですが、「美術館の長い夜」などのイベントの時にまとめてみるとなかなか勉強になり、侮れません。

また、旧王宮の方には、ハプスブルク家の皇帝たちが暮らした「皇帝の部屋」とシシィミュージアム、銀食器コレクションがまとめて見られる博物館があり、ウィーンを訪れる方は必見です。

王宮の裏口の方には、世界一美しい図書館と言われている国立図書館プルンクザール、パピルス博物館、地球儀博物館、エスペラント博物館が入っている他、中庭からは王宮宝物館(Schatzkammer)もあります。一体王宮内部でいくつの博物館があるんでしょう。

次に、ホーフブルクのお隣のフォルクス庭園(Volksgarten)に足を伸ばしてみました。夏場はバラが美しいこの庭園ですが、冬はその閑散とした様子に胸を打たれました。

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フォルクス庭園の雪の散歩道

このフォルクス庭園には、美貌の皇妃エリザベートの有名な像があります。元々この庭園の隅っこに静かに座っているエリザベート像ですが、この日は雪をかぶって更に寂しげでした。

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エリザベート像の前も真っ白。後ろの建物はブルク劇場。

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ひっそりと建つエリザベート像。肩や膝の辺りが寒そうです。

続いて、リンク通りを横切り、美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)と自然史博物館(Naturhistorisches Museum)が向かい合って建っている、マリア・テレジア広場に向かいます。

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旧王宮前の広場から。同じ外見の建物が向かい合って建っていますが、向かって左が美術史美術館、右手が自然史博物館です。

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美術史美術館も雪をかぶっています。写真右の小さな像がマリア・テレジア像。

美術史美術館は世界有数の巨大美術館ですが、特にブリューゲルは最大のコレクションを持ち「バベルの塔」「農家の婚礼」「雪の中の狩人」などを所蔵しています。また、ルーベンス、ベラスケス、デューラーなども多数あり、フェルメールの「絵画芸術」、ラファエロの「草原の聖母」など超重要作品も目白押し。内部には素敵なカフェもあり、美術館賞の合間にゆっくりするのに最適です。

また、お向かいの自然史博物館では、恐竜の骨格や蝶のコレクションなどがあるほか、世界史の教科書にも必ず登場する、旧石器時代の「ヴィレンドルフのヴィーナス」が大きな見所です。

大雪で冷え切ってしまったら、美術館に入って心と体を温めるもいいかもしれませんね。他にもウィーンにはメジャーなものからマニアックなものまで色々なミュージアムがあります。是非お気に入りのミュージアムを見つけてみてください。

(2013年2月執筆)

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