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オーストリア/中世にタイムトリップ!ハインブルクの中世騎士祭り


オーストリアでは、夏から秋にかけて、中世騎士祭りが各地で開催されます。去年初めて行ったものが予想をはるかに上回る面白さだったので、味を占めて再び行ってきました。

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本格的な剣闘ショーも楽しめる、中世騎士祭り。

今回参加したのは、ウィーンから1時間ほどの距離にある、スロバキアとの国境近くの小さな町、ハインブルクの騎士祭り。ドナウ河を下って、ウィーンからスロバキアの首都ブラティスラバに向かうと、国境付近右手にある巨大な古城の廃墟が、有名なハインブルクのお城です。この町はその古城の城下町として発展した、文字通り中世の流れをくむ町なのです。

このハインブルクの古城自体も、1000年以上の歴史があり、意外なことにイギリスの歴史とも深い関係があります。ロビンフッドが悪者を退治していたのは、当時オーストリアで人質に取られていた、リチャード獅子心王を取り戻す身代金を集めるためだったのですが、この身代金を使ってこのお城が建てられたと言われています。

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古い歴史のある、古城ハインブルクの廃墟。

歴史的に更に遡ると、最初はケルト人が入植し、その後ローマ帝国の支配下に入り、皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスが滞在したローマ都市カヌントゥムもここから目と鼻の先です。ワーグナーのオペラの元となった「ニーベルンゲンの詩」の物語にもこの町に関する記述があります。

このようにとても歴史が古く、とくに中世時代に栄えたハインブルクは、今は小さな町ですが、中世騎士祭りを開くにはピッタリです。

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中世ダンスのパフォーマンス。フォークダンスのような感じです。

まず入って驚くのは、そのあまりに完成度の高い、中世の再現度です。屋台やショーなどのスタッフが中世の衣装を完璧に着こなしているだけでなく、お客さんも多くの人がこの日のために中世衣装に身を固めてきていますので、ざっと見ただけでも半数以上は中世ファッションだったのが、一番の驚きでした。

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このお祭りでの街角の風景。どちらが主催者側で、どちらがお客さんなのか見分けがつきません。

それに、小さな町にしては、規模もとても大きく、一日かけてゆっくり見て回れるくらいです。たくさんの中世風の屋台が立ち並び、当時の方法そのままのかまどで焼いたパンが食べられたり、たき火で起こした火を使って作ったスープが売られていたりと、かなり本格的。

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中世風パン屋さん。売る方も買う方も中世ファッションです。

会場に5つほどある大小の広場では、ひっきりなしにショーが演じられ、中世音楽やダンス、騎士の剣技などが思う存分楽しめます。

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中世音楽のコンサート。見たことのない楽器ですが、テンポのいい曲も多く、盛り上がっていました。

家族連れも楽しめるショーやアトラクション、動物ふれあいコーナーなどもあり、子供たちも大喜びです。

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手動メリーゴーランド。

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こんな車輪の中を歩く子供もいました。

子供だけではなく、大人も中世にタイムトラベルしているような気持ちで楽しめる、中世騎士祭り。オーストリアでは毎月のように各地で開かれていますので、もし機会があれば覗いてみてくださいね。

(2013年6月執筆)

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