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質実剛健な中世の古城、ホッホオスターヴィッツ城(ケルンテン州)


オーストリア南部、イタリアと国境を接するケルンテン州に一泊旅行をしてきました。今日は、ケルンテン州東部のハイライトの一つ、ホッホオスターヴィッツ城(Burg Hochosterwitz)のご紹介です。

ケルンテン州東部の見どころは、ウィーン人に好まれる避暑地ヴェルター湖と、この湖に隣接した州都クラーゲンフルト、そしてこのホッホオスターヴィッツ城の三つ。古城マニアの私としては、この城の外見のかっこよさに心躍り、どうしても訪れてみたかったお城の一つでした。ドイツのノイシュヴァンシュタイン城がロマンチックで必見なら、こちらは質実剛健なかっこよさで必見です!

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ウィーンから車で南へ三時間強の距離にあるヴェルター湖から、更に北へ30分ほどの場所にこの古城はあります。

山上にあるお城に上がるには、徒歩かエレベーター。しかし、このエレベーターが実は最恐!!高所恐怖症の人は、絶対乗ったら後悔します!小さな箱が岩肌をガクンガクンとずり上がっていく感じ。こんな怖い目して5ユーロの別料金とは。。

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おんぼろ最恐エレベータ

一方の徒歩ルートには、この城を守るために趣向を凝らした14の城門の他に、教会や庭園があったりして、この古城見物のハイライトと言っても過言ではありません。高いとろから眺めるケルンテン州の山並みが素晴らしいです。

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徒歩ルートは14の城門を超えて20分ほど。

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途上の小さな教会。

城に到着してすぐの武器の鍛冶場では、実際にフイゴを使って火を起こしてケルト風ナイフを作っていたりして、中世気分満点です。

入り組んだ階段を更に上に登ると、そこは城の中庭。ここがこの城の本体部分となります。外見からは大規模な要塞に見えますが、実はあの質実剛健な外観は、何重にも重なった城壁や城門に囲まれているからで、実際のお城の本体は意外にかわいらしかったりします。

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城の中庭。あんなごつい城なのに、中庭はのんびり。左側は小さな博物館になっていて、鎧や武器などが展示されています。

城の中庭にはカフェレストランがあり、家族連れがのんびりランチを楽しんでいました。博物館ではこの城の歴史や、中世の武具の展示があり、現在ではこんな片田舎にあるこの古城が、当時軍事上どれほど重要な位置にあったかを偲ばせます。

この城が最初に記録に残っているのが9世紀。その後12世紀まではザルツブルク司教区に含まれ、15世紀にはOsterwitz家の居城となります。16世紀には所有者がKhevenhueller家に変わり、トルコ侵略対策のために14の城門が築かれ、城は現在の形になりました。それぞれの城門が敵を撃退する様々な仕掛けを持ち、この城を難攻不落の要塞としています。

帰り道は、次から次へと城門をくぐって徒歩ルートを散策しました。城からのケルンテン州を見下ろす景色は雄大で素晴らしく、何度も息を飲むほどです。

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遠くの丘の間に雲が流れている様子が幻想的。

質実剛健なホッホオスターヴィッツ城、古城マニアも大満足の男性的でかっこいいお城でした。クラーゲンフルト周辺に行かれる方は、ぜひ立ち寄ってみてください。

(2011年10月執筆記事)

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