見出し画像

オーストリア/ヴァッハウ渓谷の町クレムスで名産品アプリコット祭り

ウィーンから1時間ほどドナウ河を上ったところにあるヴァッハウ渓谷は、風光明美でワインやアプリコットの名産地としても有名です。ウィーンからドナウ河クルーズなどで日帰り旅行を楽しむ旅行者も多く、デュルンシュタイン、メルク、クレムスと言った河沿いの町が絵のようにかわいいのも魅力です。

そんなヴァッハウ地方は、気候や地形からワインの名産地として有名ですが、アプリコット(杏子)が名産品として知られています。今回は、ヴァッハウ渓谷の町クレムスのアプリコット祭りに行ってきました。

画像9

クレムスの町のシンボルSteinertor(シュタイン門)

画像10

クレムスの目抜き通りを屋台が埋め尽くす、アプリコット祭り

ヴァッハウ渓谷は歴史的に古い地域で、「ニーベルンゲンの指輪」ではクリームヒルトのハンガリーへの輿入れ道中で詳しく描写されていますし、ロビンフッドが救出しようとして身代金を集めていたイギリスのリチャード獅子心王は、この近くのデュルンシュタイン城(現在は城跡)に幽閉されていたとされています。

アプリコットは、ドイツのドイツ語ではアプリコーゼAprikoseと言いますが、オーストリアのドイツ語では通常「マリレ」(Marille)と呼ばれます。ヴァッハウ渓谷のマリレの伝統は古く、この辺りでアプリコットを「マリレ」と呼ぶ習慣は、1509年にすでに記録されています。「ヴァッハウ渓谷のマリレ」は、「シャンパーニュ地方のシャンパン」のように原産地表記が保護され、品質が保証されています。

画像1
ヴァッハウ渓谷のマリレ

マリレはそのまま食べても甘酸っぱくておいしいですし、ジャム、シュナップス、シロップ漬けなど、加工品も人気です。オーストリアのマリレのシュナップスで有名なバイローニ社(Bailoni)もこのヴァッハウ地方のマリレを使ってお酒を造っています。

画像2

マリレのコンポートやシロップ漬けは自家製もおいしい

画像3

マリレのシュナップスも多種多様

画像4

マリレのジャムは、シュトルーデルに付けて食べるのがオーストリア風

画像5

市場のおじさんから量り売りで買うマリレは新鮮で格別です。

7月末のアプリコット収穫のこの時期、ヴァッハウ渓谷はアプリコット一色になります。

画像6

アプリコット祭りは、地元の若者のダンスが盛り上がります。

画像7

こちらは民族衣装がかっこいい、地元のブラスバンド。ヴァッハウ渓谷を舞台にした有名なミュージカル映画「マリアンデル」の主題歌を演奏してくれたので、観客も大喜びです。

画像8

マリレ柄のテーブルクロスはクッションカバー、エプロンまで、マリレグッズが並びます。

マリレ関連の屋台だけでなく、目抜き通りのお店も軒を並べる、町を挙げてのアプリコット祭り。クレムスは、裏通りがとてもかわいらしい街ですので、またの機会にクレムスの町もご紹介しますね。

(2013年7月執筆)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?