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「思春期のからだ」~保健室から2

Q7.生理はどういうときに来るんですか?

A7.排卵(はいらん)が起こった時に,受精(じゆせい)せず着床(ちやくしよう)しなかったときは,子宮内粘膜(しきゆうないねんまく)がはがれて体外に排出されます。それが生理です。
ボクから→保健体育でも教わります。F先生のお話をよく聞いてね。

Q8.生理痛ってそんなに痛いんですか?(女子)

A8.来れば分かります。個人差があります。特に重くて日常生活に支障を来す(ししようをきたす)場合は,「月経困難症(げっけいこんなんしよう)」といい,病院で処方(しよほう)された薬を飲んだ方がよいこともあります。先生は普段はあまりないのですが,一年に一回くらいは匍匐前進(ほふくぜんしん)でないと歩けなくなることがあります。
ボクから→ファイト!としか言えません。

Q9.私はまだ生理が来ていないので,痛みが全然分かりません。気持ちで少しでも痛みが和らげ(やわらげ)られるならば,何か楽しいことを見つけておいた方が良いのでしょうか?(女子)

A9.痛みの対処法(たいしよほう)は心理的なことだけではないので,生理が来て痛みが強ければ相談に来てください。
ボクから→B先生も「病気でないと言ったって痛いものは痛い」と書い
ていましたね。

Q10.初経(しよけい)の時に痛くてどうしらいいのか考えた結果,鉄分を摂る(とる)ようにしたけれど痛みは治まらずのままでした。どうしたらいいのでしょうか?(女子)

A10.鉄分で痛みは取れません。生理痛は子宮の収縮(しゆうしゆく)によって起こるものですので,その収縮幅を少なくするようにします。
温罨法(おんあんぽう)をするとか,鎮痛剤(ちんつうざい)(痛み止め)を飲んで痛みを感じる神経をブロックするとかしかありませんね。
ボクから→「鉄分を摂ると痛みが治まる」というのは誰かに教えてもらったのかな?でも,N先生によると,「鉄分で痛みは取れません」でしたね。確かな正しい知識を知ることや,信頼できる大人に聞くことの大切さが分かりますね。

Q11.生理は一ヶ月に一回のペースで来ると聞いていますが,2ヶ月以上も来ないままです。どうしてでしょう?(女子)

A11.生理になり始めは不定期ですが,そのうちに周期(しゅうき)が安定してきます。いつまでたっても不安定なときには婦人科(ふじんか)に受診(じっしん)しましょう。担任の先生も言っておりましたネ。
ボクから→ボクは男ですが,中学校の先生を長くやっているので,少しは知識が身につきました。でも,より詳しいことは,〈その道のプロ〉に頼りましょう。

Q12.生理痛で保健室に行ったらどんな対応をしてくれますか。(女子)  

A12. 薬は渡せません。腹部の温罨法(おんあんぽう)や休養をすることでピーク時の痛みはしのげます。
*温罨法(おんあんぽう) :漢方医学の治療法の一つ。人体(特に患部(かんぶ))を暖めることによって身体表面の血管を拡張(かくちよう)させ血流(けつりゆう)を促進(そくしん)する。新陳代謝(しんちんたいしゃを活性化(かっせいか)させるなどの効果がある。(Wikipediaなどから)
ボクから→保健室は〈治療をする場所〉ではありません。身体や心を休ませてくれますが,あとは自分の身体は自分で何とかするしかありません。
N先生,お忙しいところ,丁寧に回答してくださってありがとうございました。素晴らしい先生が保健室にいてくれて,この中学校の生徒は幸せ者です。

―― 以上です。たった1クラスの生徒からこれだけの「悩み」が寄せられました。それだけ,思春期のからだの悩みは誰もが抱えているということが分かります。それが自然なのだということが分かります。この悩みに「まじめに」「正しい知識」をもって対応してくれる「信頼できるオトナ」がいるかいないかは,すべての生徒にとって,とても重要なことです。
ボクは,自分自身の知識などでは到底対処しきれませんが,心優しく、有能な同僚や研究仲間に恵まれて,こうした授業をすることができてきました。

もし,あなたが今,思春期の子どもたちを目の前にしていたら,悩みに向き合っていたら,何かの参考になればいいなと思い,3回に分けて連載しました。いろいろ言葉足らずや未熟な内容もあったかもしれません。その点はコメントなどで教えていただけると嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。


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