現実空間か?仮想空間か?
=生成AIと空飛ぶクルマの未来を考える=
HAAM公式noteの新コラムシリーズ。
代表のPRODUCER江藤誠晃がAAMの未来を独自アプローチで構想します。
▪️イントロダクション
HAAM公式サイトのトップに新しくプロモーション動画をアップしましたのでご覧ください。
空飛ぶクルマの社会実装化に向けて、最も早期に実現するであろうカテゴリーは遊覧飛行だ!と力説してきましたが、そのイメージを神戸市を舞台に『IMAGE of 203X』と題して60秒にまとめたものです。
▪️キーワード①:Society5.0
HAAMの活動は未来学的なアプローチで空飛ぶクルマ社会を構想するマーケティング。つまり実現したい将来の「絵」をイメージした上で、未来を手繰り寄せていくバックキャスティングの活動です。
そこでマーケターとしての僕が常に念頭においている2つのキーワードを紹介しながら未来の空域マーケティングを語りたいと思います。
「Society5.0」とは日本政府が提唱する未来社会のコンセプトで5年ごとに改訂される科学技術基本計画の第5期(2016〜2020年度)に登場したキーワードです。
「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」として提唱されたのがSociety 5.0。
この図にまとめられているように…
●狩猟社会(Society 1.0)
●農耕社会(Society 2.0)
●工業社会(Society 3.0)
●情報社会(Society 4.0)
に続く我が国が目指すべき未来社会の姿です。
サイバー空間とフィジカル空間の融合という考え方を踏まえてHAAMのプロモーションムービーをご覧いただきたいのですが、この3D動画はMicrosoft社のFlight Simulatorを使って制作してもらいました。
ゲームソフトの仮想空間上に現実空間のフライトを再現する試みはSociety5.0に沿っていますが、重要なことは、その先に「経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」を構築できるか?を問うところだと考えています。
内閣府のサイトでは、Society 5.0の目指すところが「持続可能性と強靭性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ(well-being)を実現できる社会」となっています。
内閣府サイトを見る>>
空飛ぶクルマ産業が担うべき役割を考える時、Society5.0は極めて示唆的なキーワードなのです。
▪️キーワード②:Web3
もうひとつの重要なキーワードが「Web3(ウェブスリー)」。
初期のインターネットである「Web1.0」からGAFAに代表される巨大IT企業が提供するプラットフォームに依存する「Web2.0」の次に来る概念で、中央集権的な「Web2.0」に対して、ブロックチェーンなどの技術を活用する次世代の分散型インターネットを意味します。
Web3に関しては…
●ブロックチェーン
●DAO(分散型自律組織)
●NFT(非代替性トークン)
●仮想通貨
といった分野を理解する必要がありますが、最も関連性深く語られるのが「メタバース」です。
メタバースはインターネット上に存在する3D仮想空間を指し、一般的にはVR機器を使うゲームのイメージが大きいようですが、フェイスブック社が社名を「メタ(Meta)」に変更して新たな投資と開発を進めていることなどから、今後はWeb3時代のサイバー空間そのものを指す広義の概念になるかもしれません。
▪️仮想空間が先に来る
これまでの人類による文明を振り返るとリアルな現実世界(空間)の体験をテクノロジーによって仮想空間に再現してきた進化と捉えることができます。
世界各地を旅する体験が映画やテレビというテクノロジーによって万人に拡散され、コンピュータグラフィックスによってあたかも存在するかのような場を体験することができるようになったり…です。
ところが今、人類は先に仮想空間を「創造」し、その中で「想像」した内容を現実空間に再生する逆転現象の中に生きるようになったいるといえます。
空飛ぶクルマにのって絶景を堪能する遊覧飛行も、時間と距離を超えて効率的な移動を実現する空域タクシーサービスも実現には少し時間がかかりそうですが、メタバース内ではいとも簡単にシミュレーション可能です。
そこで例によって生成AIにこんな質問を投げてきました。
回答として示されたのは「シナジーの可能性」でした。
生成AIが瞬時にここまでのレポートをアップしてくれるだけでも驚きです。
これこそが「Society5.0」的であり、「Web3」的なのでしょう。
▪️空域ビジネスモデルのDX
「現実空間」と「仮想空間」の逆転というマーケティングの「変容(トランスフォーメーション)」に触れましたが、もうひつのキーワードとしして、今やあらゆるビジネスの現場で語られる「DX」についても考えておきます。
残念ながら日本における「DX」の理解は、全体的に間違っているというのが僕の見解です。
ビジネスのデジタル化は
1)Digitization/デジタイゼーション
2)Digitalization/デジタライゼーション
3)Digital Transformation【DX】/デジタルトランスフォーメーション
の順に進化すると定義されています。
簡単にまとめると、Digitizationはアナログからデジタルへのデータ転換で手紙から電子メールへの移行のような「ツールのデジタル化」。
Digitalizationはそこで得たデータと技術を活用して新たな価値やビジネスモデルを生み出す「プロセスのデジタル化」。
これに対してDigital Transformation【DX】は経済産業省の定義が…
「データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
となっているように、デジタル技術がもたらす抜本的な組織やビジネスモデルの「変容=Transform」を意味しています。
いかがでしょう?
日本において語られる「DX」の多くはデジタル進化プロセスにおける2番目止まりの「変化」レベルであって「変容」や「変革」に至っていないことがわかります。
「空飛ぶクルマ」自動車やヘリコプターからのモノとしての変化や、電動・無人・
垂直離発着の方法としての変化に留めず、社会に変容をもたらす「魔法の乗り物」とするマーケティングが求められていくはずです。
そこで、生成AIに対して…
と問いかけると、以下の回答。
まとめると、空飛ぶクルマは都市構造や交通システムに変革をもたらし、新たなビジネスモデルを創出し、社会インフラのデジタル化を進めるということで、まさにDigital Transformationなのです。
●次回以降で空飛ぶクルマのDXを深掘りしていきます
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