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”29歳の監督” 山川和大監督へのインタビュー ブレイバーズ通信2024年2月号

山川和大 #44
兵庫県神戸市出身。1995年1月4日生まれ。兵庫ブレイバーズの前身球団で投手としての才能が開花。2016年に読売ジャイアンツから育成ドラフト3位指名を受けて入団した。その後、ブレイバーズに復帰して2022年に引退。最下位に沈んだチームを建て直すべく、2023年からから監督に就任した。


「諦める姿をファンに見せるな」


―監督就任から1年がたった。2023年を終えての感想は?

悔しい結果に終わったシーズンでしたね(※順位は4位)。チームとして成長は感じましたが、他チームがそれ以上に強くなっていました。とくに序盤で出遅れたのが痛かったです。選手の信頼に応えることができなかった僕にすべての責任があると思います。独立リーグはあくまでプロ野球。監督として、もっと非情になるべきだなと感じています。

―チームの雰囲気は見違えるほど良くなった。

「たとえ負けていたとしても、諦める姿を絶対にファンには見せるな」とは口酸っぱく言ってきました。お客さんにとっては、目の前で見ている一試合が僕らの全てです。だからこそ、僕らも、この一試合に全てを懸けないとダメだと考えています。ジャイアンツ時代にお世話になった阿部慎之助さんに影響を受けて、この考えになりました。

―選手を指導する際に心がけていることは?
 
僕の考えを押し付けないことですかね。僕の感覚と選手のそれは全く違うので。あとは、できるだけ直接、コミュニケーションをとるようにしています。LINEだと、みんな、いい子ぶるので(笑)。

選手には自らの頭で考えてほしい


現役時代の山川監督

―選手に大切にしてほしいことは?
 
僕自身の現役時代を振り返ってみると、自分なりに考えて野球を続けてきたように思えます。失敗してもいいから、まずは自分の頭で考えてみるというのはすごく重要なことです。ブレイバーズの選手たちにも、そうするようには強く言ってきましたね。選手の意識も徐々にではありますが、変わってきました。

―29歳と監督としては非常に若い。

選手とも腹を割って話し合えるので、年齢の若さはプラスになっていると感じますね。だからこそ、変に監督ぶるようなことはせず、ありのままの僕でいることを心がけています。

―監督をしている中で楽しさを感じるのはいつ?

アドバイスをした選手が結果を出してくれたときや、采配がうまくいったときですかね。例えば、西村太陽を先発から抑えにしたこととか。先発だった昨季までは、太陽は、好不調が激しいタイプでした。そこで、責任を持たせてみようと思い、今季からは抑えにしてみました。この采配がピタリとはまって、セーブ王になりました。楽しそうに野球をする太陽の姿が見られて良かったです。

目標は「優勝&NPB入り」


山川監督も期待するノア・ウィリアムソン選手(左)。右は川崎大介球団代表。

―現状、期待している選手は?

まずは新外国人選手のノアですね。去年は4番を固定できずに苦労しました。彼の打撃には非常に期待しています。投手なら溝端です。NPBに行きたいという気持ちが誰よりも強い選手だと思います。もっと必死にやってほしいので、「来季がラストチャンスだぞ」としつこく言っています。

―来季の目標は?

僕の性格的に、負けることがめちゃくちゃ悔しいんですよ。やっぱり優勝したいです、とにかく勝ちたいです。そして、NPB入りを果たす選手をこのチームから出したいですね。だから、選手たちには、変わることをおそれてほしくないです。覚醒のタイミングは急に訪れるので。強豪校とは縁のなかった僕でもジャイアンツに入れたように、どんな選手にもチャンスはあるはずです。

(このインタビューは2023年12月22日に行われました)

座右の銘「人間関係こそ最高のぜいたく」

中学時代に野球部の顧問から聞いた言葉です。僕自身も、周りの人たちの存在・いろいろな出会いがあったからこそ、ここまで生きてこられました。

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