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僕が古民家をあきらめ、新築を選んだ理由(1)

ここ3年ばかり古民家をセルフリノベする暮らしに浸かってきた。
古い家を格安で手に入れ、好きなようにDIYする過程はとても楽しいものだった。素人ながら建築のスキルが少しずつ身につき、道具も揃い、やれることが増えていく日々は、自分の知的好奇心も満たせてとても充実していた。

そう、これは過去の話だ。
古民家を直して住むことはロマンもあって楽しかったけど、二度チャレンジして二度とも敗れ去った。一度目は距離の壁にはばまれ、二度目は家の状態が悪すぎて。

二度目の挫折についてはまだ書いてないけど、失敗のパターンを文章で残すのは意義がありそうなので、いずれ記そうと思う。

古民家暮らしを諦めた僕が、いま何を考えているかというと実は、家を新築で建てようとしている。

実際の時系列でいくと、

古民家→賃貸マンション→マンションリノベ→戸建新築

のように考えが変化していったんだけど、最後に行き着いた「戸建を新築する」という平凡な選択に、自分でも正直驚いてる。

これは単純に、個人的な気持ちの変化の記録だけど、住まいの問題は普遍的な話題だと思うので、ことの成り行きを以下、文字として残したい。

古民家暮らし→賃貸マンションへ

ボロボロの古民家を引き払った僕は、福岡市内でマンション暮らしを始めた。
築60年ほどの古い賃貸マンションだけど管理も行き届いてるし、繁華街が近くて便利だし、何より人が普通に住むための設備(水道,電気,ガス,お風呂,トイレ,台所,空調など)がちゃんと揃っていて、快適さが爆上がりした。

が、それに伴い家賃もかなり上がった。古民家のローン返済とマンションの家賃を比べると住宅費が2倍になった計算。確かに快適さは2倍になったと思うけど、幸せは2倍になったんだろうか。。

2倍になった家賃を払うために、2倍働くことが果たして幸せと呼べるのか。
そんなことをマンションの一室で悶々と考える日が続いた。

マンションリノベに舵を取る

そんな時、マンションリノベを思い付いた。古いマンションを買って、自分の好きなようにリノベする暮らし。

物件を安く買えば、今の家賃より安く抑えられるし、快適度も満足度も幸せ度も上がりそうで、まだ実現してもないのに小躍りしたい気分になった。(が、この思い付きは、のちに頓挫することになる。。)

1ヶ月も経たないうちに、市内で350万円の中古マンションを見つけた。
築50年近い団地物件で駅からも遠いけど、ゆったりした敷地と眺望の良さに加え、広さも50‪㎡ほどあって、ひとり暮らしには充分のサイズ。エレベーター無しの4階だったけど、まあしばらくは何とかなるだろうと思って申し込みを入れようとした。

しかし、ここでローンの事前審査が立ちはだかる。どの銀行からもOKをもらえないのだ。住宅ローンに詳しい人からすれば当然のことかもしれないが、今回のことで分かったのは、そもそもの話として、人的要因と建物的な要因、2つの問題が存在していたのだ。

人的な要因

まず人的要因、つまり当人の問題だけど、そもそも僕みたいな低収入層は「最低年収いくら以上」という制限に引っかかって銀行から門前払いされるのだ。

銀行側からみれば、貸し倒れのリスクがあるので、そんなやつに金を貸したくないのも分かるけど、安い家なら借りる金額も少ない訳だし、杓子定規に年収で足切りしなくてもいいのにな、とも思う。

とはいえ、大手銀行やネット銀行では一部その辺りが緩和されてきたので、年収200万くらいの人でもマイホームを諦めなくてすむ世の中になってきた気がする。

建物的な要因

年収基準をクリアしたとして、次に襲ってくるのが建物的な要因、つまり物件の問題だ。これはいわゆる新耐震基準に関係していて、おおむね築40年以上(1981年5月以前)の古いマンションの場合、銀行が融資を極端に渋るのだ。

銀行側からすれば、旧耐震基準のマンションは地震に弱いから担保として評価できない、という理由も分かる。分かるけれど、そもそも住宅ローンの役割は、みんなが家を持てるようサポートすることだから「安くて古いマンションはやめて、高くて新しいマンションを買え」と誘導するのはちょっと違うのでは…と思う。

ということで、マンションリノベを実現させるには住宅ローンの壁があって、それを突破するには「フラット35」での借り入れしか手がないことが分かってきたんだけど、長くなったので次回に続きます。

住まいの選択肢を広げるべく、理想の家を探す旅をしています。