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Twitterが医療現場を救った話

みんな、知り合いでリストカットした人を一人くらい知っているだろう。

以前、精神科の先生と話していた時、この10年くらいでリストカットがとても減ったという話を聞いた。10年ほど前は、夜間救急で来る人の多くが、リストカットの人であり、とても対応しきれず、本当に緊急性のある患者を診きれなかったという。

ではなぜ、ここ10年でリストカットが劇的に減ったのか。それはTwitterの台頭だと先生は続けた。リストカットは死ぬためにやるものではない。リストカットでは人はなかなか死ねない。本当に死のうとしている人などは、もっと確実な方法を選ぶ。たとえば首つり。練炭。硫化水素。そして、実行するときはだれにも止められない形で行う。つまり、リストカットの目的は自殺ではなく、だれかに気付いてもらうためだ。

いままで、リストカットという方法で満たしていたものが、Twitterで似たような状態にある人などとのコミュニケーションで満たされる。そういったことが起きているそうだ。

問題処理能力が低い人たちは意外にも多い。処理の仕方を間違える人も多い。リストカットは正しい問題処理とは言えない。実際にリストカットをしている人を見たことがあるが、目をそむけたくなった。リストカットよりもTwitterでの思いの吐露のほうが、問題処理としてはずいぶんいいように思われる。なによりも、医療現場にとってはとてもいいことだった。

リストカットはTwitterのおかげで、平成の社会問題となった。令和ではもうリストカットという言葉を聞かないことを祈る。

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