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『鬼滅の刃』

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心の中学二年生

kobochanne
なんで『鬼滅の刃』をテーマにしたの?けっこう意外だったんだよね。

guchon
こういう機会じゃないと読む事ないだろうなぁと。

kobochanne
たしかに、何のきっかけもなく読みたくなるようなかんじではないよね。

guchon
『鬼滅』をすでに読んだ人たちに感想を聞いたら、みんな「面白いっちゃ面白いけど、強く勧めるほどじゃないよ」みたいなかんじだった。

kobochanne
ああ、その言葉にすべて詰まってるかんじするわー!

guchon
あと、おれの心の中学二年生が発動して世の中でブームになった瞬間に拒絶反応が出ちゃった。

kobochanne
その中二的な天の邪鬼、めっちゃわかる。
でも、最近はその天の邪鬼にさえ逆らいたいってかんじもあるし悩ましいよ。

guchon
わかるわー。どっちの感覚も大事よね。
コボチャンはすでに読んでたけど、きっかけはあったの?

kobochanne
おれも、お正月なのに家に閉じこもってるし普段やらないことをしてみようってかんじだから、だいたい同じ理由だよ。

guchon
なるほどー。おれが先に総評を言っちゃうけど、結果的に読んで良かった。

kobochanne
わはは!それはホントよかった!

guchon
でも、まだ読んでない人にわざわざ「絶対読んだ方が良いよ!」とはならないかなぁ。

kobochanne
たぶん、もともと漫画が好きな人で、これ読んで「絶対オススメ!」って言う人はあんまりいない気がするよね。

guchon
おれの中では『るろうに剣心』と同じぐらい。

kobochanne
『るろ剣』と同じくらいって、ちょうどしっくりくる評価だわー。
良くも悪くも腐女子の好きなポイントをおさえてるかんじも近いよね。

guchon
実際、敵キャラがトラウマかかえてる感じとか結構似てるし。

kobochanne
思えば、『るろ剣』フォロワーの漫画ってあんまりなかった気がするし、『鬼滅』がそうなのかもね。

guchon
『るろ剣』影響もそうだけど、今までのジャンプ漫画の正当な後継作ってかんじだよね。

kobochanne
でも、おれの評価はわりと低くて50点ってかんじだったかな…。

guchon
なるほどー。その点数も全然納得。
有名どころで50点って例をあげるとどんな漫画?

kobochanne
点数の意味が違うんだけど、『20世紀少年』とかかなー。

guchon
『20世紀少年』が50点なのはマジわかるわー。
おれは点数でいうと70点かなぁ。いや、でも何だかんだで煉獄さんの所で読みながら泣いたし悔しいけど80点だわ。

kobochanne
ええー!煉獄さんのところは泣きどころあったっけ?

guchon
もう最近すぐ泣いちゃうんよ。

kobochanne
老いじゃん!すぐ泣いちゃうの、老い!

guchon
完全それ!もう前頭葉が萎縮し始めてる。マジ良くない傾向だよ。

kobochanne
おれは煉獄さんの話では「おまえ、ついこないだ鬼(禰豆子)もろとも炭治郎を斬首する!とか言ってたじゃん…」って気持ちが残っちゃってて、なんか釈然としなかったんだよね。

guchon
そう言われると、なんで泣いたのか自分でもよくわからなくなってきたな…。
ただ、さっき天の邪鬼の話が出たけど、今なら心の中学二年生を捨て去って、世の中の流行り物にどんどんハマれる気がしてきたよ。

kobochanne
心の中学二年生をかなり制御できてきてるなー。おれはまだ、いくら流行っても又吉の『火花』とかは死んでも読めないと思っちゃう。

guchon
でも、80点は言い過ぎたわ。75点!

kobochanne
微調整!

guchon
話がちょっと飛ぶけど、『鬼滅』の映画が興行収入ランキング1位になったじゃん。それでランキングの他のラインナップを見てみたのよ。

歴代興収ベスト100 - CINEMAランキング通信

kobochanne
めっちゃ貪欲じゃん!

guchon
いやいや、作品を観たわけじゃないよ。ランキングを確認しただけ。

kobochanne
あ、そういうことね。てか、このランキングやべー!

guchon
やばいよね。
おれ、1位~10位の中で『千と千尋』しか観たことなかった。『もののけ姫』さえもまだ観れてない。

kobochanne
わはは!それはそれですごいよ!全然、心の中学二年生を制御してないじゃん!
おれ、『ハリーポッター』すら観たし、『君の名は。』以外はどれも一応は観たよ。

guchon
マジか!『ハリーポッター』とか触れる機会が一度もなかったなー。
心の中学二年生を大事にしすぎちゃってるかもしれない。

kobochanne
『ハリーポッター』は、テレビでやってたからなんとなく観ただけなんだけどね。

guchon
でも、このランキングの15位の『ET』の存在感、相当良いよ。

kobochanne
わはは!たしかに、ところどころいい存在感出してる映画あるね。
27位の『南極物語』とか、いいなー。

guchon
わはは!27位:『南極物語』からの38位:『子猫物語』。

kobochanne
わはは!ほとんどジブリ、ディズニー、ハリウッドのなかで、志の高い作品だよ。

guchon
『鬼滅の刃』が意外とハマったから、もうちょっと自分が世の中にフィットできるかと思ってこのランキングを見たんだけど、上位に観たくなるような映画が全然なくてヤバい。

kobochanne
実際、ランキングにはまったくピンとこないわー。
でも、「心の中学二年生を大事にしすぎない」って考え方は今後もないがしろにしないようにしていきたいよ。


ヒットの理由

kobochanne
あと、おれは『鬼滅』のレビューを見てて「なんで鬼滅が流行したか」って記事がめちゃ多いのが面白いと思った。
最初にぐちょんが言ってた「人に勧めるほどではない」って思ってるような人が、「そこまで面白いわけではないのに、爆発的に流行してる」っていうギャップを感じるから分析したくなっちゃうのかなって。

guchon
『ヒットの設計図』っていう本を前に読んだんだけど、ヒット作品ってある程度レベル以上のクオリティと宣伝が必要なのは当たり前だけど、特大ヒットまで行くのは完全に運っていう身も蓋もないオチだった。
そんなのみんな知ってるわ!っていう。

ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで (早川書房)
デレク トンプソン (著), 高橋 由紀子 (翻訳)

kobochanne
わはは!それもう設計図じゃないよ!
でも、ホント運としか言いようないところあるもんね。『鬼滅』も運要素は大きいと思うし。

guchon
あと、「人工の文化市場における不均質性と予測不可能性に関する実験的研究」っていうのがあって、音楽のダウンロードサイトでダウンロード数が上位の曲はより聴かれ、それで順位が上がる事でさらにより聴かれるようになるっていう。人気者はその人気でさらに人気になるし、そもそもどれが人気者になるかは予測できないよっていう研究。
そんなの元から知ってるわ!っていう。

人工の文化市場における不均質性と予測不可能性に関する実験的研究
SALGANIK MATTHEW J., DODDS PETER SHERIDAN, WATTS DUNCAN J.

kobochanne
めちゃ大層なタイトルで尻込みしたけど、内容はめっちゃ当たり前の話!
実際、マーケティングに裏打ちされた運って、流行るコンテンツの共通項だよね。

guchon
だからこそ特大ヒットってもはや作品そのものの実力と乖離しちゃってる可能性があるよね。
ある程度の所までヒットするには良い作品じゃないといけないのは当たり前だけど、それ以上の特大ヒットまでいくともう作品そのもののクオリティと人気が比例してるわけでもないっていうか。

kobochanne
特大ヒットに限らずあてはまりそうな気がする。でも、そうすると作品の実力だけでは報われないことが多くなっちゃいそうだよね。マーケティング力と運まで必要だから。おれは実力だけに集中したようなストイックな作品が好きではあるんだけど…。
…って、おれら『鬼滅』の話をするんじゃなかったっけ?

guchon
本当はそのつもりだったんだけど、コボチャンが50点!って言うからあんまり『鬼滅』の内容については話さない方が良いかなって思っちゃった…。


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