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オン・ザ・ロードとそれぞれがすすむ道の果て

ぼくは昔、洋服屋になりたかったんだ。
学生時代、アルバイトや仕送りの大半は大阪アメ村の古着屋に消え、そのころから朧気に将来の夢は“洋服屋で働く”になっていった。

だっていつだって僕は好きなものに囲まれて生きていきたかったから。
ぼくにとって洋服は自分を表現できるツールであり、哲学だった。

とくに夢が叶った二十代半ばからは専門卒の先輩たちに負けまいと毎週のように六本木のTSUTAYAでコーヒー1杯で朝から晩まで文庫や写真集で知識を貪った。
今思えばめちゃくちゃ迷惑な客だけど、なにぶんお金がなかったからねw仕方ない。

そんなこんなで点でしかなかった知識が繋がっていき、奔流となって頭の中を駆け巡り、いつしか大河となってゆったりとした流れになった。
これは凄く不思議な話なんだけど知識が実感を伴ったと云うか血の通ったと云うか。追体験をしている感覚。
わかるひといるかな?

というわけで洋服屋【僕】のフィルターを通してカウンターカルチャーを追体験式にD⇣Gって行ければと思います。※あくまでもぼく視点なので誤り偏りあると思います。それはそれで気になったら自分で補完してください🤲

まずはカウンターカルチャーの源流。
ビートジェネレーションからお話しましょ。

1950年代第2次世界大戦が終わりアメリカが空前の好景気に沸いていた時代に遡ります。

エルビス・プレスリーやチャック・ベリーがRock'n'rollを歌い、ジェームス・ディーンがそれまでは只の労働服だったジーンズをファッションとして昇華し、ポニーテールやポルカドットが乱舞する。いわゆる皆が想像する50's(フィフティーズ)そのものです。

そんな時代にビートニクと呼ばれた新しいカルチャーは産声をあげました。

・「ON THE ROAD(路上)」を書いたジャック・ケルアック (Jack Kerouac)

・詩集「HOWL(吠える)」を発表したアレン・ギンズバーグ (Allen Ginsberg)

・小説「裸のランチ」のウィリアム・S・バロウズ (William S Burroughs)

の3人が中心となりそんな浮かれた時代にカウンターを喰らわすべく、コミュニティをどんどん広げ体制や制度を否定し言葉の力で個の魂の解放を模索する大きな運動となっていきます。

Allen GinsbergとWilliam S Burroughsはわかる。Jack Kerouacな…の…か?


めっちゃポエム読んでそうなひとが読んでいるpoem


余談だけれどもCity Lights Bookstorというサンフランシスコの本屋さん(聞いたことあるかな?)はオン・ザ・ロードと吠えるの版元でビートジェネレーションとは切っても切れない関係性です。当時が偲ばれるあれやこれやが残っているのでもし旅行で近くまで行ったら訪ねてみることをオススメするよ。

City Lights Bookstoreの一見なんの変哲もないが実は背景がものすごいバッグ


ポエトリーリーディングからラップへ


ビートニク詩人たちは教会とかカフェとかで自作の詩を朗読するんだけど、そのポエトリーリーディングという活動はもともとは黒人たちの人種差別への抗議の要素が多かったのね。
※マルコムXとかキング牧師と繋がり有るかと思ったけどそうでもないみたい。あくまでも自身の魂の解放を模索しているからだろうか?

そこに少しずつ音楽に乗せたり演劇の要素を取り入れたりと、パフォーマンス性も重要視され始めたんだ。
たぶんやる人多くなりすぎて目立てなくなっちゃったんだと思う。
丁度彼らが嗜好していたJAZZ界もBEBOPの時代からmodernJAZZに移行し、一瞬の閃きを重要視していたからそういった背景もあるんじゃないかと個人的には思ってる。とにかくこの活動はボブ・ディランやドアーズのジム・モリソンなどのミュージシャンにも多大な影響を与え、のちのラップに繋がっていくんだ。

悪そなやつは大体友だち❣カラタチ❣ロボダッチ❣
ロボダッチってなんだよ…


そしてHippyへ→

アレン・ギンズバーグの詩集「吠える」の冒頭に「天使の顔をしたヒップスターたち」という一節があって、「本当のフィーリングを持った者」って意味で使われててヒッピーの語源なんだよね。ネタバレじゃん♪って思うかもだけど、そもそもビート・カルチャーの主な思想は、決められたレールに乗らない、体制への反抗、経済的物質主義の拒否、人間の条件(人間という存在の根本条件、誕生・成長・死・感情・希求・葛藤など)の明示的な描写、性の解放と探究、などだからドラッグとかフリーラヴとの親和性がめちゃくちゃいいんだよね。みんなマリファナとかモルヒネとかLSDとか様々なドラッグやアルコールでぶっ飛んでた。もはやHippy…って思ったでしょ? でも≠(ノットイコール)なんだよね。ファッションを含む時代感、空気感が決定的に違うんだ。この辺の描写は【オン・ザ・ロード】を見てもらうと分かりやすい。映画にもなってるのでソッチでも良いかもね。Hippyを題材にしてる【イージーライダー】と比較しても面白いと思うよ。

で、オン・ザ・ロードに『タオ』って言葉が出るんだけど、その他に『ロード』や『ストリート』だったり『ウェイ』だったり、彼らの『路』は精神世界にも繋がっていて、その思想は1960年代に、より大きなカウンターカルチャー運動であるフラワームーブメント➛ヒッピー文化に継承されていくんだ。


あとがき
このように彼らヒップスターの活動はカウンターカルチャーの源流ともいえる一つの時代を作り上げました。僕の中ではビートニク〜ヒッピーまでが初めて世界を巻き込んだサブカルだと思ってて、ファッションから見ても極めて重要な期間だったと思います。もうちょいHippy掘り下げたかったですが本筋からズレてしまいそうなのでひとまずここいらで。
また世界中の若者たちに影響を与えたビートニクの活動は、勿論日本にもやってきます。彼らを中心に広がった思想や生きかたがどう日本の若者達に受け入れられ独自に変化していったのかはまた別の機会に。

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