成績とエビデンス

これは新人くんにおこった出来事です。私がのんびりメールの返事をかいてた時です。新人くんがやってきて「どうしよう。親御さんからメールがきて、生徒さんの成績が芳しくないのはおかしい」って言ってきた!って言うので詳しくを話を聞いてみると、その生徒さんはそれほどパッとしてない勉強ぶりだったのだがひどい成績でもないのでB評価を与えた所(B評価は二番目に良い評価です。Aが一番いいやつです)、親御さんが満点A評価ではないのはおかしい、どうして満点でなかったら親にまず連絡してこなかったのだ。。。とクレームがついたということ。親のメールを読んでみるとなんかこう、英文がしっくりこないので親の名前を見てみたらなんと外国人で英語は二か国語な感じ。ひょっとしたら翻訳した英文で送ってきたかなーっていう感覚。なので親の真意がいまいち掴めないけど、新人くんに「まあとりあえず親御さんは怒ってないと思う。ただ理由が知りたいんじゃないかな」と宥め、改でもう一度メールを読み直す。

新人くん曰く、「音楽のクラスは週一だからまだ数回ぐらいしか教えてないし、生徒の授業態度や学びのエビデンスがまずない」って言うから、そりゃそうだと。そして新人くんに「エビデンスがないエビデンスってある?意地悪に聞こえるけどさ」って言ったら「え」って顔して、何も記録してないって言うから「あー。何も証拠がないのにB評価あたえちゃったわけ」と。

「けど、パッとしてないし。なんかすごい優秀じゃないし。言われたこと直ぐに完璧にこなさないし。だからB評価」って言うから、まあ、それがエビデンスになるかと、とりあえず思ったのだが、新人くんに「まあ、それだけわかってるならエビデンスとしては最低限かもね。これからは記録はなるべくつけておかないと後々面倒よ。そんなふわっとした感じだとヤバいから、なるべく振り返りしておかないとね」と説教しておきました。(実に偉そうな私)

ところで。評価に関してですが、音楽に関しては私はアチーブメントベースの成績より、ディベロプメントベースの成績の方がいいと思っています。音楽ってスキルだけじゃなく、クリエイティブな部分も多い。なので生徒が真の自分のポテンシャルに気付き、そこから伸びていくのを見てみたいんですね。なので、ルーブリックでも「なにそれが出来たら何点」って言うのは違うんではないかと。A評価を上げたら生徒はそれ以上伸びない。私としては生徒一人一人ベストに伸びてほしいのだ。

新人くんが「じゃあどうやって親に言おうか」って言うから、「一旦上司に意見仰げ。新人だからなんでも自分で先走って考えなくてもいいよ」って上司に丸投げしておきました。上司の顔が一瞬浮かびましたが、まあそれも仕事の内ですよねえ。

私だったら多分、親御さんに「まだ学期は始まったばかりで授業回数もすくなく、その短い中で目覚ましい成長や素晴らしい成果をあげたわけでないので今回はB評価になりました。今回の評価は中間前の評価なのであくまでも生徒のパフォーマンスのスナップショットです。あくまでも今現在の一時的な評価です。後の最終評価が記録に残りますし、それが一番重要です。なので今回は通過地点ということをご理解していただけると幸いです。また、生徒さんが最高の成績を残したいとお考えならば積極的に生徒さん自ら気兼ねなく私たちに質問などをしていただけるとこちらもサポートしやすいです。今回はご連絡誠に感謝いたします」とか書いて送る気がします。

あ、けど日本だったらこういうのってどうなんだろう?日本で働いたことがないからわからんですよ。これはどっちかというとアメリカ的な書き方かな。。。イギリス上司にこういうスタイルの文面を見せるとニュアンスがハッキリしすぎててプロパーじゃない。って言われるかもしれないし。また、親御さんの英語が母国語でない場合、翻訳ソフトでどう意味が伝わるのかも考えものです。

私は親御さんが連絡してくれるとどんな内容でも、まず感謝の気持ちを覚えます。だって、忙しい中いちいち書いて送ってくれるんですよ。それだけ真剣だってことです。生徒さんはだれかの大事な子供です。毎日、それを念じて私は仕事してます。誰かの大事なお子さんを預かる責任ってすごく大きいです。だから、まず感謝の気持ちを持って親御さんには向き合います。預からせてくださり、ありがとうございますって。

ちなみに。私はエビデンスの鬼なのでアプリ使って生徒の行動を逐一記録してます。何度授業中にトイレに行ったかとか、そんな記録まで付けてます。これは多分、バカロレアで教えてるからなんだろうなーって思います。そんでもってデータ化して自分の教え方を見直してます。

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