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#143 DESノート

DESとはデット・エクイティ・スワップ。債務の株式化です。

事業再生で使われます。利息や元本返済はなくなります。
債権者にとって債権放棄よりマシということです。

例:シャープのDES 2015.06を紹介します。
欠損874億円でした。
6月末までに2250億円増資(新株)し、半分が資本金、残りは「資本剰余金」の「資本準備金」へ計上しました。
6月末までに資本金5億円に減資(最初は中小企業1億円の話もあったけど批判をうけてぽしゃった)。
みずほ1000億円と三菱東京UFJ1000億円の債務をDES化して優先株を発行。
250億円は再生支援会社(Jインダストリアル・ソリューションズ)からの増資で賄う。
結局、資本剰余金の中の2198億円が単体欠損に補われた
ただし、現金が増えたわけではないことに注意。

減資は株主総会の特別決議と債権者保護手続きが必要。

ただし、欠損のてん補の場合は、例外的に定期株主総会の普通決議でよい(この場合でも債権者保護手続きは必要)

なお、欠損てん補のために準備金を取り崩すときも普通決議が必要であるが、財産減少しないので債権者保護手続きは不要となる。

DDS(デット・デット・スワップ=Debt Debt Swap)というのもある。

債権の劣後ローン化のこと。

種類が変わるだけなのでB/S上は変化しないように見る。

DESのように支払い不要とまではいかないが、債務超過の場合は当面のキャッシュフローの改善により事業再建を図ることができる。

債権者も最終的には返済されるという形になる。ここがDESと違うところ。


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