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#101 新しいビジネスがグレーで法令違反か心配なときのノーアクションレター制度

新しいビジネスをやろうとした。ところが法令違反しているかグレーのときがあります。

最近ある人から「こういう事を考えているんだけど、違反していないか心配で動けない。誰か知らない?」というグチめいたことを聞きました。

なにせ誰もまだやっていないのでわからない。

誰かやるか待っていたり、手をこまねいているんじゃあせっかくの先行者利益など得られないではないか。

そんなとき誰に聞けばいいか?顧問弁護士?海外事情通?有能なコンサルタント?

いやいや、行政機関に直接聞けばいいじゃないですか。

「行政機関による法令適用事前確認手続の導入について」平成13年3月27日閣議決定されています。

「・・・平成13年度から、IT・金融等新規産業や新商品・サービスの創出が活発に行われる分野について、民間企業等がある行為を行うに際し、法令に抵触するかどうかについての予見可能性を高めるため、当該行為について特定の法令の規定との関係を事前に照会できるようにするとともに、行政の公正性を確保し、透明性の向上を図るため、当該照会内容と行政機関の回答を公表することとする。」

「・・・このため、上記の分野に関し、民間企業等が、実現しようとする自己の事業活動に係る具体的行為に関して、当該行為が特定の法令の規定の適用対象となるかどうかを、あらかじめ当該規定を所管する行政機関に確認し、その機関が回答を行うとともに、当該回答を公表する手続の指針を下記のとおり定める。」
 「なお、具体的実施方法等については、本指針の範囲内で、各府省(その外局を含む。以下同じ。)において「細則」を定め、これを公表するものとする。」

ビジネスに関係する金融庁など省庁のサイトには以下のような事が書いてあります。

消費者庁の場合・・・

「法令適用事前確認手続(いわゆる日本版ノーアクションレター制度)とは、民間企業等国民が、その事業活動に関係する具体的行為が特定の法令の規定の適用対象となるかどうか、あらかじめ当該規定を所管する行政機関に確認し、その行政機関が回答を行うとともに、当該回答を公表する手続です。」

そして「各法律の条項ごとの問い合わせ先一覧」がついています。

こうして確認できるわけです。拒否されたり、面倒臭がれることなどないのです。

実際の例を挙げてみます。

アルバイトマッチングサービス「Timee(タイミー)」ってすごく使われています。(橋本環奈のCMがあったね)

このビジネスモデルはネットビジネスのスピード感と双方の細切れ時間の活用というのがウリです。それでマッチングされた利用者(アルバイト)への賃金をタイミーが(手数料は取らずに)立て替えて支払っています。これは、企業側の賃金支払い事務の負担を軽減し、利用者へ早く賃金をもらいたいというニーズが強いからです。

ところが、こうした立替払いが、労働基準法第24条第1項本文が定める「賃金直接払いの原則」に違反するのではないかと指摘されていました。

いわゆるグレーゾーンだったのです。

これに対してタイミーは、厚生労働省にノーアクションレター制度で照会したわけです。

結局、違反しない」との回答を得ることができました。

これで安心してビジネスを続けることができます。利用者双方も安心。

またこの企業への投資家も安心です。グレーのままじゃ投資できないです。

ところで最初の質問者のような人は、こうした事も調べもしない。

結局のところ本気じゃないんだと思う。

こういうのを海外では「日本人は “NATO” だ」と言われる。No Action, Talk Only)「行動なし、会話だけ」と。


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