TENDERLAMP『シノノメポップができるまで』楽曲レビュー
1.はじめに
本日、TENDERLAMPの新曲がリリースされました。
そのタイトルは…
『シノノメポップができるまで』
ポップソングができるまでの過程をストレートに楽曲にした作品。
今回は、本楽曲についてレビューを書いてみたいと思います。
｢レビュー｣って言うとなんか偉そうですが、新曲の感想を書いた1ファンの独り言です。笑
2.通しで聴いてみて
まずは歌詞に注目し過ぎずに、通しで聴いてみました。
どこか“和風”を感じるコーラスと浮遊感のあるシンセ、そして煌びやかな管楽器が耳に残ります。
TENDERLAMPはこれまでも“和風”な要素が感じられたり、日本語の美しい響きを前面に出したような楽曲がいくつかあります。
(例)
『YUME UTSUTSU』
『はいからCITY』
『TAMAYURA-RI』
タイトルに｢シノノメ｣(東雲)という言葉を使っているあたり、今回の楽曲もそういったものを意識しているのかもしれません。
そして、独特の浮遊感とキャッチーな英語のフレーズは、『ノスタルジック・ハイウェイ』から意識して作られている音楽の方向性。
本楽曲は、過去と現在のTENDERLAMPの良さを合わせた“集大成”のような作品だなと思いました。
また、Dメロのベースと管楽器がカッコよくて一気に惹き込まれました。ライブで聴きたくなる。
ポップの中にあるカッコ良さは、僕が思うTENDERLAMPの一番の強みです。
全体を通してノリが良くて、思わず体が動いてしまいます。
TENDERLAMPのノリの良さは、AMIさんのドラマーとしてのセンスが活かされていると勝手に思っています。これまた強み。
第一印象は｢ノリが良くてカッコいい曲｣でした。
3.歌詞を読みながら聴いてみて
では次に、歌詞に注目して聴いてみます。
いきなり｢感情なんて要らない｣という強烈なフレーズから始まります。
“自分の弱さを周りに見せたくない”と強がる気持ち(完璧主義者)と、本心(本当の自分)との揺らぎ。
サビでは、溢れ出した本当の自分を受け止めて欲しいという気持ちが歌われています。
｢少しずつでも見せたいの｣というフレーズには、楽曲の主人公の勇気が感じられました。
完璧主義者だった人が弱さを見せたいと言うのは、大きな勇気が必要だからです。
2番Aメロの
｢人生は奇想天外 “経験値”上げようか大胆に｣
｢くたびれた正解は今しか選べないから｣
というフレーズは、1番で歌っていた“完璧主義者”な自分から少しずつ新しい自分へ踏み出していく決意を感じました。
2番サビでは弱音と後悔、不完全な自分も受け入れて欲しいという感情が歌われています。
でも｢ワガママだけど許して｣というフレーズに、まだ少しだけ後ろめたさを感じます。
そしてDメロ。
｢STOP！じきにタイムリミット 嗚呼！東雲の予感｣
ついに東雲(夜明け)が来る。
弱さだったり後悔だったり、そういった負の感情から生み出したい楽曲は“悲しい歌”ではありません。
この楽曲の主人公が本当に生みたいのは、
その先のメロディ ＝ ポップ なのです。
光のように明るい楽曲を生み出しながら、アーティストという世界で強く在りたい。
強い覚悟を持ちながら、主人公は歩いていく。
歌詞に注目しながら聴くと、ただノリが良くてカッコいいだけではなく、
・主人公の変わろう(弱さも見せよう)という決意
・負の感情の先にある明るい楽曲(ポップ)を生みたい
というメッセージが丁寧に描かれていることがわかりました。
4.ジャケットに注目！
歌詞に注目しながら聴いたとき、ジャケットを見てハッとしました。
明るくて楽しそうな朝の街並み。その下には涙が。
涙や夜を連想させる青い部分から太陽が昇り、街を照らしている。
この楽曲のメッセージがそのままイラストになっているようでした。
少し引いて見てみると、1人の女性の姿にも見えます。
この女性は、きっと本楽曲の主人公なのです。
5.楽曲の主人公って？
では、本楽曲の主人公は誰なのか。
聴き手が自分を重ね合わせて聴くのも正解のはず。
でも僕は、この楽曲の主人公は作曲したAMIさん自身だと思いました。
｢痛みを知れば知るほど光を生みたいと願う｣
というフレーズは、TENDERLAMP(AMIさん)というアーティストそのものを歌っているように感じられて、本楽曲で最も印象に残っています。
つまり本楽曲は、これから少しずつ自分の弱い部分もさらけ出しつつ、みんなの光となる作品を生むんだというAMIさんの新たな決意を歌った曲であるということ。
10月7日で30歳という節目を迎え、事務所を退所してフリーランスに戻り、また新しく1歩踏み出したAMIさんの心情が本楽曲から伝わってきました。
10月15日にはワンマンライブが浅草花劇場で開催されます。
1歩踏み出したこれからのTENDERLAMPが楽しみで仕方ないです。
皆さんもぜひ、新曲と一緒にワンマンライブもチェックしてみてくださいね！
2023.10.11 (Wed.)
TENDERLAMP New release
『シノノメポップができるまで』
各配信サイト(下記リンク)にて配信中！
2023.10.15 (Sun.)
TENDERLAMP 5th Anniversary One Man Live「SHINONOME」
@浅草花劇場
開場/開演：12:00/12:45
※チケットに種類あり。下記リンクを参照。
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