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「チーム」は組織だが、「グループ」は組織ではない

「チーム」はドラッカーが「マンモスを狩るための組織」と呼んだように、原初的な組織形態です。これに対し、「グループ」は組織ではありません。

「グループ」とは、一定の基準や条件を満たした人の集まりのことです。ただ人が集まっているだけですから、「グループ」は組織でありません。組織と言えるためには共通の目的が必要なのです。

「マンモスを狩るための組織」では、「マンモスを狩る」ことが共通の目的です。この目的のために、各人に役割が与えられます。それぞれの人は自らの役割を果たすことで「チーム」に貢献するのです。

「チーム」と「グループ」の違いは共通の目的にあります。これは意外と見落とされがちで、うまく機能していないチームは、いつの間にか目的意識が薄れ、単なる「グループ」になってしまっている場合が多いのです。

「組織にはミッションが必要だ」とか「リーダーはビジョンを示さなければならない」という話も、単なるグループを目的に向かう組織に変えるために必要なことと考えるとわかりやすいでしょう。

そもそも組織とは目的達成のための人の連携のあり方です。経営学者のチャンドラーには「組織は戦略にしたがう」という有名な言葉があります。戦略(なしとげるべきこと・その方法)が明らかになって、次に組織が問題になるのです。やることが明確でないのに、組織構造を考えるのは本末転倒です。

いくら自分たちが「チーム」のつもりでいても、共通の目的への意識が希薄であれば、それはただの「グループ」でしかないのです。

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