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競争戦略とは”競争しない戦略”のこと。 生き抜くためには競争戦略は大切。

組織や個人が市場や社会を生き抜く話をします。

経営学の中にマイケル・ポーターが提唱した「競争戦略」という理論があります。

名前だけを聞くと、厳しい競争を勝ち抜くための秘訣と思う人もいるかもしれません。実際には「競争戦略」とは“競争しないための戦略”です。どうすれば競争せずに生き抜けるかを考えるための原則なのです。

では「どうすればライバルと激しい戦いをせずに収益をあげられる」のでしょうか。

ポイントは「独り占め」です。業績の良い企業は市場において「独占」もしくは「寡占」(少数の企業による独占)の状態にあるのです。

激しい競争が続けばライバルと共倒れになります。しかし、「独占」か「寡占」の状態を獲得出来れば好業績を実現できるのです。そうした状況を競争優位といいます。

「小さな会社にも業績の良い会社はたくさんあるじゃないか」と考える人もいるでしょう。しかし、そうした会社は狭い領域で独占的な地位を占めていることが多いのです。小さな会社でも狭い領域に限れば「独占」や「寡占」の状態、つまり競争優位を築くことは可能なのです。

例えば、山間部の小さな村に1軒しかない雑貨屋を考えてみましょう。小さな個人事業のお店であったとしても、その雑貨屋は独占企業なのです。

また、中古車ディーラーの中には、マツダ・ロードスターやローバーミニなど特定の車種に特化したお店もあります。こうしたお店は、特定の車種の熱烈な愛好者を独占することで激しい競争を避けているのです。

競争戦略では、ライバルが侵入してこないように特定の市場を囲い込むことがポイントになります。そして、そのカギを握るのが「独自性」です。

「独自性」とは、単にライバルと違う特徴があるということではありません。その特徴が顧客にとって重要な意味を持つことで初めて「独自性」があるといえます。

競争戦略とは会社や市場で生き残るための原則です。ポイントは「競争しない」ことで、それには市場や顧客にとって価値のある、しかも容易にマネのできない独自性を持つことが重要になります。

同じことは個人が社会で生き抜いていくことにも当てはまります。誰にでもできるような仕事をしていると、激しい競争にさらされます。しかし、他の人では替えの利かない、しかも社会にとって意味のある独自性があれば激しい競争を避けることができます。ですから、個人にとっても競争戦略は意味があるのです。

しかし、他の人や会社にマネされにくい、意味のある独自性とはいったいどのように見つければよいのでしょうか。それは次回検討したいと思います。

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